児童性虐待被害者65,000人に補償

賠償総額43億ドルにのぼる見込み

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙が報道したところによると、連邦の児童性虐待組織対応特別調査委員会は、国内の教会、学校、孤児院、スポーツ・クラブ、福祉団体その他の組織が児童虐待、児童性虐待にどのように対応したかを調査してきたが、20世紀前半から後半にかけての虐待行為の被害者は生存者だけでも65,000人にのぼり、今後10年間の賠償額総額は43億ドル、その半分を政府が負担することになると推定額を発表した。

 1月30日にシドニーで発表された調査委員会の報告書は、性虐待被害者の傷を癒し、実りある人生が送れるように支援するため、国と州が協力して救済計画を講じることや民事訴訟の可能性についても触れている。この莫大な賠償額は被害者65,000人、一人あたりの平均賠償額を$65,000としており、そのうち、連邦政府負担が19億7,100万ドル、そのうち、性虐待があった団体が賠償金を払う経済的能力を持たない場合の立て替え払い予備金として5億8,200万ドルが用意される。また、性虐待のあった団体に24億ドルの拠出を義務づける。

 調査委員会のピーター・マクレラン委員長は、「効果的で公正な救済には政府が大きな役割を引き受けるべきだが、責任は真っ先に性虐待を見逃していた団体が負わなければならない。政府も団体も経済的負担は巨額にのぼるが双方ともその責務を負わなければならない。救済の基本的な目的は児童性虐待で苦しんだ人々が建設的で十全な人生を送れるように支援することだ」としている。

 また、被害者が団体を相手取って賠償請求する際にもこれまでのように被害者が被害を実証しなければならないというほぼ不可能な挙証責任を逆転させ、訴えられる団体が被害を防ぐために十分な措置を取っていたことを証明しなければならないというように手続きの改定も勧告している。しかし、民事において原告側が挙証責任を負う原則は何百年にもわたって守られてきただけに論議を呼ぶことになる。マクレラン判事は、団体に児童を保護する義務があり、団体の責任が大きいことを挙げて、挙証責任の変更にも十分な支持があるはずと述べている。被害者らは大幅に被害者の権利を認めたこの報告を歓迎し、「賠償金支払いで教会が破綻するならさせればいい」として、これまで抑圧されたり放置されてきた苦しみを語っている。
■ソース
Royal commission: $4.3 billion is cost of redress to victims of child sex abuse

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