NSW、強姦裁判で身許保証問題

有力者批判した大臣を法曹界が批判

 シドニーで強姦裁判の被告人を品行方正な人柄とする身許保証をギリシア領事やウエイバリー市長、教会聖職者らが法廷に提出、これを家庭内暴力問題担当大臣が批判した。しかし、大臣の行為に対して法曹界から批判の声が挙がっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 被告人はルーク・アンドリュー・ラザラス現受刑者(23)で、父親が共同経営するキングス・クロスのソーホー・クラブに知り合いの女性を連れ込み、強姦した上に、「処女を奪った」と自慢したとされ、3月に最高5年の懲役刑を言い渡された。

 シドニー地裁のセーラ・ハゲット判事は、「被告人は、父親の共同経営するクラブにおいて、「力と地位」におごり、犯罪に走った。手前勝手で日和見的な犯罪だ」と判決文を読み上げている。しかし、有罪評決から量刑言い渡しまでの間にサリー・ベッツ・ウエイバリー市長、サウス・シドニー・ラビトースのニック・パパス会長、ツアンビコ・アタナサス・ギリシア領事らがラザラス被告人を「品行方正な人柄」と称賛する身許保証を提出、被告人の寛刑を求めた。また、ローズ・ベイのギリシア正教会のゲラシモス・コウツオウラス神父は、「ラザラスは無実であり、誤審の被害者だ」と書いている。

 これに対して、プル・ガワード大臣は、「社会的地位のある人達が強姦犯人に品行方正の身許保証を書くなどとはおぞましいことだ。彼らの評価が落ちるだけでなく、被害者が正義を求めて名乗り出ることを妨げることになる」と批判した。

 しかし、それで終わらず、NSW法曹協会のアーサー・モーゼズ下級副会長は、「凶悪犯罪行為で有罪判決を受けた者が罰せられるのは当然だが、ガワード氏が判決前の審理で身許保証の証言を行った市民を批判することは非常にまずいことだ。どんな証言も妨げられてはならないし、場合によってはガワード氏の発言が法廷侮辱罪を成立することもある。大臣という地位には責任も伴うことを自覚すべきだ」と批判した。

 Rape & Domestic Violence Services Australiaのカレン・ウィリスCEOは、「この論争は、裁判での身許保証の欠陥を浮き彫りにしたと言える。金と力のある人々はそれを利用して、刑を軽くするために都合のいい身許保証を引き出すことができる。僻地のアボリジニが同じ犯罪を犯しても誰もいい身許保証を証言してくれる者がいない場合を想定すればこの欠陥は明らかだ」と語っている。また、ラザラス被告人の身許保証証言した者の中には、「大勢の人の身許保証をしているので個別のことは分からない」と語る者もいる。一方、ウエイバリー市議会ではベッツ市長の辞任を求める声も挙がっている。
■ソース
NSW barristers slam Pru Goward for criticising ‘glowing’ references for rapist Luke Lazarus

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