家庭内暴力加害者の夫を殺害した女性に在留許可

「ビザ取消」脅迫で縛り付けられる被害者が加害者に

 夫の家庭内暴力の被害者だった女性が思いあまって加害者の夫を殺害するという事件は何度も起きてきた。女性が結婚ビザでオーストラリアに住んでいる場合には、暴力夫が、「別れればビザ取消で本国送還される」と脅迫し、被害者の女性を縛り付けていることが多く、家庭内暴力被害者女性支援団体は、「暴力夫から逃げる女性にはビザを継続する」よう政府に訴えてきた。このほど、移民省が、一旦取り消された受刑中の被害者妻のビザを再発行した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2014年6月WA州中部のジェラルドトンで、スリランカ出身の医師、Chamari Liyanage(37)が同じく医師を務める夫のDinendra Athukoralaを殺害し、故殺罪で4年間の懲役判決を受けた。

 Chamari Liyanage受刑者は2016年6月以来仮釈放申請資格が発生しているが、受刑中にビザが取り消されており、仮釈放されてもそのまま入管収容所経由でスリランカに強制送還される可能性がある。

 しかし、移民国境警備省で同受刑者のビザ取消を審査し、ビザ取消処分の撤回を発表した。そのため、同受刑者は仮釈放後は社会に戻されることになる。

 Chamari Liyanage受刑者の弁護士、アリスデア・パット弁護士は、「Liyanageは、仮釈放後もオーストラリアに留まれることを聞いてうれしさの余り泣き崩れた。また、事情を審査してくれたことについて、移民相や移民国境警備省に感謝の気持ちを述べている。また、オーストラリア社会からの支援にも感謝している」と発表している。

 2016年12月、家庭内暴力根絶運動を進めているロジー・バティさんがピーター・ダットン移民相に手紙を送り、「オーストラリアはLiyanage医師のような人々が希望を持って生きるためにやって来て、自由で安全な人生を送ることができる国。移民相がビザ取消を撤回したのは家庭内暴力被害者の置かれている苦しみに対してオーストラリア政府が同情と理解を示したことに他ならない」と述べている。

 裁判では、殺害された家庭内暴力加害者のAthukoralaが、13テラバイトにのぼる、児童虐待、獣姦のコンピュータ画像を所有していたことが証言された。

 Liyanage受刑者は、出所後は家庭内暴力絶滅キャンペーンに参加すると語っている。
■ソース
Chamari Liyanage, who killed her abusive husband, allowed to stay in Australia

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