被害者救助に走り、テロ実行犯に刺殺される
2017年6月3日、ロンドン都心部ロンドン橋で3人組のテロリスト・グループがバンを歩道に乗り上げて突っ走り、大勢の通行人をなぎ倒した後、刃物を持ってさらに通行人を襲い、8人を殺害、48人を負傷させたが、自分達も警察官に射殺された事件でたまたま付近を歩いていたSA州出身のカースティ・ボーデンさん(28)は、被害者の救助に走ったが、テロ犯にナイフで刺殺された。
7月20日付ABC放送(電子版)は、ボーデンさんが英女王からその勇敢さを称えられ死後叙勲したことを報じている。
ボーデンさんは、SA州リバーランドのロクストン出身で、イギリスのメディアは、「ロンドン橋の天使」と呼んでいる。このテロ事件ではもう1人、オーストラリア人が殺害されている。
ボーデンさんは、2018年のシビリアン・ギャラントリー叙勲者名簿に記載され、エリザベス女王のCommendation for Braveryを受けた。
表彰状は、「自らの安全を顧みることなく、負傷者救助のために駆け寄ったカースティ・ボーデンの行為は勇気と深い同情の表れであったことは疑い得ない」と述べている。
また、「通常、このような事件が起きると人はまず自らの安全を図ろうとするが、看護師を務めるボーデンはまず他人を助けるために動くという職業倫理を発揮した」とも述べている。
ボーデンさんはアデレードのフリンダース大学を卒業し、ロンドンの病院で看護長を務めていた。
また、勇気への叙勲はすでにSA州政府が「カースティ・ボーデン・メモリアル看護学奨学金」を設立し、フリンダース大学の地方出身の学生2人の最終学年に毎年1万ドルずつが与えられる。
事件後、ボーデンさんのパートナー、ジェームズ・ホッダーさんは、「素晴らしいほどの無私の人だった」と述べている。
■ソース
Kirsty Boden: Queen’s bravery award for Australian nurse killed in London Bridge terror attack