増えるホームレス母子毎晩2万人

豊かな経済オーストラリアの暗部

 世界不況をほとんど無傷で通過し、「世界が羨望」と誇るオーストラリアだが、最近には、「先進経済でもっとも教育現場の社会経済階層分離が激しい国」との分析報告も出ている。また、「ミドルクラス福祉」が指摘される一方で、連邦労働党政権、保守連合州政権とも財政立て直しの口実の下、困窮者への福祉の切り下げを進めている。Australian Institute of Health and Welfareの新報告書が発表され、過去1年で23万人の国民が野宿者福祉施設を利用し、そのうち99,000人が24歳未満の児童・青少年との報告書を提出した。

 2012年度(2011年7月ー2012年6月30日)には、毎晩19,000人が政府援助の宿泊施設を利用していた。同Instituteのジェフ・ナイデック氏は、宿泊所を求めて援護を必要とする女性が男性を上回っていた。女性が野宿者になる原因のほとんどが家庭内暴力だった。従って、子供達もその犠牲になっていると考えられる。また、宿泊施設を必要とする人は1人平均82夜の宿泊斡旋を必要としていた。

 野宿者援護機関では、「それでもその夜の宿を必要とする野宿者は福祉機関で対応しきれず、路頭で眠る人も大勢いる。「Homelessness Australia」のニコール・ロウダーCEOは、この報告書が扱っている2012年度中には、援助を求めてきて援助を与えることができなかった件数だけでも137,000件に昇っている。宿泊施設が足りないために街頭で眠る人や車の中で眠る人が増える状況は憂慮の他ない。野宿しなければならない人に宿泊所を与える努力を続けなければならない」と語っている。

 しかし、連邦政府のブレンダン・オコナー住宅・野宿者問題担当大臣が報告書を歓迎し、「困窮する国民を救う努力がかなり実を結んでいることを示すもの。昨年度には1500近い機関が23万人の困窮する国民を支援してきた。2020年までに野宿者人口を半減するという政府の目標に向かって前進している。公営住宅21,000戸を建て、その他に家賃補助住宅を11,000戸建てた。野宿者援助について、州政府と交渉を続けている。法人や非営利部門もそのために重要な役割を果たすことができる」と語っている。(NP)

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