親の保育料踏み倒しに泣く保育所

政府補助でも85%が被害に

 国民の生活が苦しいのか、どん欲なのか、子供の保育所費を払わず、政府からの50%の補助金を受け取り、滞納で保育所を追い出されると次の保育所に移す親が増え、ただでさえ苦しい小規模保育所が困っているという調査報告があった。もっとも生活が苦しいと言っても、オーストラリア国民一人あたりの所得も購買力も日本を上回っており、児童の貧困世帯率は日本よりずっと低いから、単に生活が苦しいからとは言えそうにない。保育所側では、保育所費補助金を親に支払わず、保育所に直接支払うよう制度変更を求めている。

 業界ウエブサイトのCareforKidsが全国700箇所の保育所を対象に調査したところ、85%が保育所費の踏み倒しを経験しており、3分の2の保育所が、踏み倒しの親を追及するため、債権取り立て業者に依頼していると答えている。また、あるセンターの場合、焦げ付き債権が60万ドルにものぼっている。

 業界では、踏み倒しの親をブラックリストに載せ、次の保育所に入れないようにすることや、政府補助金を施設に直接支払うよう求めている。

 一方、Australian Childcare Allianceのグイン・ブリッジ会長は、「全国的な傾向として、国民世帯が金に困っているのか、保育所費の焦げ付きは増えている。過去10年間で保育所費が7%上昇しており、インフレ率の2倍を超えている。シドニー首都圏では1日$170というところもある」と語っている。またCareforKids創設者のロザンヌ・エリオットさんは、「保育所費が急増し、保護者はどんな破廉恥なことでもするようになっている」としている。事実、オーストラリアの保育所費はOECD諸国でももっとも高いグループでオランダとアイルランドだけがオーストラリアより高い。オーストラリアの場合、2歳児の全日保育の費用は平均年収の半分にもなる。スエーデンがもっとも安く、平均所得の5%程度。しかし、オーストラリアでは貧困からではなく、高い生活水準を求める共稼ぎが多く、また、政府も一貫して女性の就業を求めているが、そのために必要となる保育所は、保育士と児童の比率や保険その他の運営コストがかかることもある一方で保育士の資格の厳しさの割に賃金が安く、保育士が定着しないということもこれまでに報道されている。(NP)

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