「自由で開放的な民主国家の評価に影響」

連邦警察のメディア捜査に経営者団体が批判

 連邦警察(AFP)職員が、「連邦政府機密文書」漏洩をめぐってニューズ・コープの新聞メディア・ジャーナリストやABC放送シドニー本社で捜索令状を執行し、個人のコンピュータを調べたことに対してはニューズ・コープやABC放送の幹部、ジャーナリスト、連邦野党など各界から、「報道の自由を冒す行為。政府は自分達に都合の悪い情報をすべて国家機密にしてしまい、国民の知る権利を奪うことになる」との批判が出ているが、経営者団体、AI Groupのイネス・ウィロクス理事長が、「国家公務員がこのように簡単に民間の機密データを見ることができると、海外の投資家もオーストラリアでの事業に二の足を踏むようになる」と発言している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 これまで、AFPの家宅捜索については経済界などからはごくわずかな発言しかなかったが、AI Group総帥が、「連邦警察の評価も損なわれた。また、このような前例ができてしまうと、オーストラリアの国際的な評価が下がる」と語っている。

 ウィロクス氏は元政治アドバイザー、外交官などを務めたことがあり、現在はAI Groupの理事長を務めている。

 ウィロクス氏の批判の要点は、本来政治的に中立であるべきAFPが、保守連合政府に使われ、政治化したという評価が生まれた。もし、投資家や企業の秘密交渉、契約などが公務員の手に渡る可能性が大きくなった感じれば神経質にならざるを得ない。現にニューヨーク・タイムズ紙は、今やオーストラリアは西側民主体制の中でももっとも秘密主義的な国になったと報道している。オーストラリアが取引している国やビジネスにとってはオーストラリアで活動すればいつ官憲が踏み込んでくるか分からないという懸念が生まれた。政府は、大臣にはAFPの活動に対する規制力はないと言っているようだが、何を国益として、何が国益ではないとするかの判断が問題だ。ビジネスは常に政府との交渉を行っており、時には非常に微妙な内容についても話し合うことがある。企業機密ではあっても、政府省庁の職員が警察官を派遣して交渉内容を調べさせることも考えられる」と語っている。

 さらに、「政府省庁が自分達のインターネット・システムの監視で機密漏洩や内部告発を突き止めることができず、メディアを襲撃したというのは驚いた話だ。それではまるでメッセンジャーを射つということではないか。AFP職員には何の落ち度もない。政府が、AFPを動かし、ジャーナリストの蔵書や下着のタンスまでひっくり返させたというのでは、21世紀オーストラリアのイメージは形無しだ。我が国の政府はもう少し洗練されていると期待するのが普通だろう」と語っている。
■ソース
AFP’s media raids risk ‘eroding business sector’s confidence in Australia’

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