オベイド伝記、書棚から引き揚げ

内容に「名誉毀損」のおそれと

 受賞ジャーナリスト、ケート・マクリモント氏と同僚のリントン・ベッサー氏の著した「He Who Must Be Obeid」は、レバノン移民のエディ・オベイド氏が生活に苦労しつつ労働党右派閥に潜り込み、組織を自分と家族の蓄財のために利用し、政界、官界を巻き込んで平然と腐敗と汚職を重ねていく生涯、またそれを可能にしたオーストラリア政界の姿を描いている。出版以来ベスト・セラーを続けていた同書が内容に「名誉毀損」になりかねない箇所があったため、全冊が書店の書棚から回収され、通信販売も中止され、本は裁断処分にかけられた。

 報道によると、同書の中で、観光タスクフォース(TTF)の元スポークスマン、クリス・ブラウン氏がオベイド一族とビジネス関係にあったとしており、また、ホーク労働党政権時代の大臣を務めていたジョン・ブラウン氏についても言及がある。ジョン・ブラウン氏はクリス・ブラウン氏の父親。しかし、クリス・ブラウン氏は、「私より何年も前に生まれた同姓同名の人物と私を間違えている。優れた調査ジャーナリストの2人が、ASICウエブサイトをちょっと調べる手間を惜しんでこんな間違いをしでかした。実際には1940年代にイギリスで生まれたクリス・ブラウンが問題の人物だ。私は1966年にパラマッタで生まれている」と述べている。

 クリス・ブラウン氏はマーク・オブライエン弁護士を立てて名誉毀損で争う構えを示しており、公式謝罪を要求、「新改訂版を発行し、謝罪文を掲載すること、それ以外にも損害賠償もありえる」と語っている。また、TTFの理事長を務めたこともある。

 ベッサー氏はABC放送の「Four Corners」のジャーナリスト、マクリモント氏はシドニー・モーニング・ヘラルド紙のジャーナリスト。また、発行元のランダム・ハウス社は内容に事実誤認があったことを認める声明を発表している。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-21/obeid-book-pulled-from-shelves-over-defamation-allegations/5685608

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