首相、「シリア難民12,000人受入れ」

「対ISIL空爆をシリア領にも拡大」決定

 9月9日、トニー・アボット連邦首相は、「シリア難民を12,000人受け入れる」と発表した。また、現在、イラク領内のISIL人員と設備を空爆している豪空軍の作戦地域をシリア領内のISIL占領地域にも広げると発表した。イラク空爆はイラク政府の要請を受けているが、シリアはアサド大統領政権が米豪にとっては敵政権のため、シリア政府の要請はあり得ない。アボット首相は、「イラク政府の集団自衛権に基づいてシリアのISIL空爆に作戦範囲を広げる」と語っている。また、ビル・ショーテン労働党も政府の戦線拡大政策を支持した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 12,000人のシリア難民受け入れは従来の人道移民枠に追加するものと見られ、総枠で倍近くになる。追加経費が今後4年間で7億ドルの支出増になると予想されている。その他にも中東の難民キャンプが冬に向かう現在、国際難民支援機関などを通して、食料その他の必需品、現金などの形で4,400万ドルの経済的援助を行う。アボット首相の発表は野党労働党や難民支援団体も歓迎している。

 また、シリア領内での軍事行動は1週間以内に開始すると発表しており、「豪空軍機はダイシュ(ISIL)を標的としており、どんなに邪悪でもアサド政権は標的にしない。中東の人道危機を終わらせ、世界に対する脅威を取り除くためにはこの死のカルトを破壊するしかない」と語っている。

 アボット首相からの説明を受けたショーテン党首は、「テロリズムの脅威は軍事行動だけでは取り除くことができない。労働党は、国際法内で目的に合った作戦を支持する。また、豪軍の作戦行動は戦略的、法的、倫理的に健全でなければならない」と語った。

 また、保守連合内の超保守議員らから出されていた「キリスト教徒を優先。ムスリムの男は入れるな」という要求については、クリストファー・パイン教育相が、「特定宗教グループを優先することはしない。シリアで迫害されているすべての少数民族、少数宗教が対象になる」としており、アボット首相も同様の発言を行っている。特定宗教信者を優先すれば、むしろその宗教グループがシリア領内で危険にさらされることになるとの専門家の意見が出ていた。
■ソース
Australia confirms air strikes in Syria, announces additional 12,000 refugee places

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