SA州製鋼企業、管財人管理下に

鉄鋼輸入問題、与野党間で再燃

 製鋼企業アリウムを抱えるSA州ワイアラの町は、労働党政権が導入した炭素価格付け制度(通称炭素税)で、野党のトニー・アボット党首(当時)が、「炭素税でワイアラの町は消える」と唱えた。炭素税下でもワイアラの町は消えず、2013年9月の総選挙で首相に就任したアボット氏は真っ先に炭素税を廃止した。しかし、アリウム社が自主的に管財人の手に渡り、ワイアラの町も危機に瀕している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 4月7日、同社が管財人の手に渡って以来初めて、マルコム・タンブル連邦首相が同社について発言し、「同社は、現在の世界的な製鉄産業の沈滞とは関係なく、いくつか重大な問題を抱えていた。鉄鋼価格は落ち込んでおり、世界的にも生産能力過剰状態が続いているなど、いくらでも困難な条件はあるが、ビジネス欄を読めば、同社の経営で他の分野でいくつかまずい決定をしていたこと、それが深刻な問題を招いていたことが分かるはず」と語った。

 アリウム社は、国内全土に8,000人を超える社員を抱えているが、40億ドルを超える負債を抱えて管財人の手に渡った。タンブル首相は同社の事業が続くことを望むとしているが、公的支援は約束していない。しかし、3月には、「2,3年先に計画していた大規模な鉄道プロジェクトを前倒しして、アリウム社を支援することもありえる」と語っていた。

 一方、8日朝には、SA州選出のクリストファー・パイン産業改革科学担当大臣がチャネル9で、「次期潜水艦隊建造の契約を通じて同社を支援することもありえる。保守連合政権は潜水艦12隻、フリゲート艦9隻、その他に哨戒艇の建造を計画している」と語った。これに対して鉄鋼産業筋は、「アリウム社は潜水艦に必要なタイプの鉄鋼は造っていないが、船体の構造を支える鋼梁を造るよう改造することは可能だ」と分析している。

 野党労働党のビル・ショーテン党首は、「オーストラリア経済の将来を考えた場合、ナショナリスチックな考えもやむを得ないと思う」として、政府の資金援助を唱える他、安価な輸入鉄鋼に対して反ダンピング措置を講じ、政府事業には国内産鉄鋼を採用する政策を取るべきだ」としているが、これに対してスティーブ・チオボ貿易相は、「国際的な貿易協定に違反する政策であり、現在、外国政府や公共事業に輸出している産業を危うくする政策だ」と批判している。
■ソース
Arrium problems linked to ‘poor decisions’, Turnbull says, as Pyne flags possible lifeline

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