失業手当受給者強制就労制度が無理な適用

事実上就労不可能な受給者30万人に罰金

 失業手当受給者に一定限度のボランティア活動などを強制する制度は、周囲に雇用のない遠隔地のアボリジニ・コミュニティ住民の受給者が雇用のめどのない職業訓練を受けさせられたり、現場まで通えない状況で仕事に就かなかったなどの理由で2年間に30万人が罰金処分を受けていることが明らかにされた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 また、受給者の35,000人が国内の他のどの福祉制度よりも多額の罰金処分を受けている。一方で、先住民族問題省の報道担当者は、「コミュニティ開発プログラム(CDP)の罰金は少額。2週間分の手当の約10分の1」としているが、CDPの受給者の圧倒的大多数がアボリジニであり、遠隔地の失業者の場合、他の地域の失業者に比べて受給資格が発生するまで最高3倍働かなければならないなどの現実がある。

 2017年1月から3月までの期間にボランティア活動や職業訓練など指定された活動を欠席したり、遅刻したりしたために罰金を科せられた件数は54,000件にのぼり、オーストラリア国立大学(ANU)のリサ・フォークス研究員は、「この数字は異常だ。たった35,000人の罰金総額が、他の福祉受給者75万人の罰金総額よりも多額になっている。これはプログラムそのものに深刻な欠陥があり、それがこのような形で現れてきている」と語っている。

 CDP対象の失業者は週に25時間の作業をしなければならず、作業には衛生管理授業、Tシャツ染色、アートなどの活動がある。フォークス研究員は、「この制度は差別的であり、国内でもっとも貧困なコミュニティの住民をさらに貧困に追い込むように機能している。そのような地域では住民は食料にもこと欠いているのに罰金で収入が減らされた結果、さらに貧しくなって子供を抱えて生活にも困窮するようになっている。しかも、罰金のために借金ばかりが増える結果になっている」と警告している。

 ナイジェル・スカリオン先住民族問題相はABC放送のインタビューを断っているが、大臣報道担当者は、「罰金額は受給額の10%程度。しかも、どうしてもという時でなければ罰金を科していない。罰金も作業に参加することを促進するため」としている。

 2017年6月、労組上部団体は、先住民族CDP受給者を対象に「First Nations Workers’ Alliance」を発足させ、プログラムに対してCDP受給の先住民族の権利を守る運動を進めている。
■ソース
Welfare recipients in ‘some of Australia’s poorest communities’ slapped with 300,000 fines

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