TAS州自由党、銃砲取締法緩和計画取消し

州民の懸念の声の高まりに緩和断念

 TAS州自由党政権は、選挙公約だった銃砲取締法緩和を破棄した。この決定について自由党政権は、州民の間に銃砲取締法緩和で社会の安全と法に対する信頼が大きく損なわれるのではないかとの懸念があることを認めている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この銃砲取締法改定で一部の銃砲ライセンス所持者は消音器を所有することと銃砲ライセンス有効期間延長が認められる予定だった。

 この法改定案は選挙期間中に農家その他の銃砲に利害関係を持つグループには配布され、野党労働党などが「自由党は法改定を狙っている」と主張したが、自由党は否定していた。結局、一般州民が自由党の計画を知ることになったのは州議会選挙の前日だった。

 8月17日、ウィル・ホジマン州首相が声明を発表し、「銃砲取締法改定に対して州民の間に強い懸念がもたれている。州政府は、連邦と州、準州の間の銃砲協定を揺るがすことを一切しないと常に言明してきた。我が国の銃砲取締法は世界的にももっとも厳格な内容であり、今後もその趣旨を貫く」と述べている。

 自由党は、銃砲取締法を緩和し、スポーツ射撃や農家が自動装填ライフルやポンプアクション散弾銃など業務で用いる銃砲のライセンスを大幅に認めるとしていた。また、2018年2月には当時のレネ・ヒディング警察相が銃砲関係団体との間で、ライセンス交付までの待機日数を短縮することや州内の銃砲所有者がオンラインでライセンスや銃砲登録などを自分で管理できるようにした上に特定カテゴリーの銃砲ライセンス期間を10年に延長することを約束したが、一般州民にはまったく知らせていなかった。

 また、銃砲所有者に銃砲取締法違反があった場合にも軽い処罰で済ませることなども公約に含まれていた。また、機関銃やサブマシンガンその他引き金を引きっぱなしにすることで高速で銃弾を連続発射できるタイプの銃砲についても現在の禁止を見直すことを約束していた。

 オーストラリアの銃砲取締法が強化されたのは1996年にTAS州の観光地、ポート・アーサー歴史遺跡でマーチン・ブライアントが半自動小銃を乱射し、観光客ら35人を殺害し、オーストラリア全土に衝撃を与え、時のジョン・ハワード保守連合連邦政権が、「大量殺人事件の再発を防ぐため」に半自動小銃など多数の銃砲を違法とし、また特別税の財源で銃砲買い上げを行った。それ以降、一家無理心中などの事件を除いて銃砲による大量殺人はWA州で起きた1件のみとなっている。事件以前の18年間には13回の大量殺人事件が起きており、104人が亡くなっている。
■ソース
Gun law changes dropped by Tasmanian Liberals following community backlash

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