豪政府、中国人富豪の市民権申請を却下

政界与野党に多額の献金続けてきた人物

 豪政府は、オーストラリアに長らく在住し、労働党、保守連合両政党に多額の政治献金を行っていた中国人を中国政府にごく近い人物として永住権を剥奪、また当人から出されていた市民権申請を却下した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 問題の人物は黄向墨(Huang Xiangmo)氏で、サム・ダスチャリ元労働党連邦議会上院議員は黄氏との関係で政界失脚している。

 黄氏は中国の貧しい家庭に生まれたが、不動産業で蓄財し、オーストラリアに渡って来てやはり不動産業界で財をなしてきた。また、オーストラリアでは親中国政府ロビーイストとして影響力を固めており、自分の企業を通じて労働党、自由党、さらにわずかに国民党にも政治献金し、少なくとも200万ドルを政界につぎ込んでいる。

 しかし、内務省は黄氏が海外に出ている間に永住権剥奪、市民権申請却下の挙に出た。ナイン・メディアによると、却下の理由として人物の人柄に問題があること、また市民権申請の面接の際の回答の信頼性に問題があることなどが上げられている。また、ABC放送は、黄氏の入国禁止は何か月か前に決まっていたと伝えており、2017年にABC放送とフェアファクス社が調べたところによると、国内活動を監視するASIOが大手政党3党に対して、黄氏から政治献金を受け取らないよう警告していた。その時点でオーストラリアの情報機関が黄氏と中国共産党政権との密接な関係に警戒しており、政治献金が中国共産党政権の影響力をオーストラリアにも広めようとする活動の一環と見ていたことが明らかになっている。

 黄氏の永住権剥奪で中国政府が激怒するのではないかとの疑問に対して、マリス・ペイン外相は、「中国政府が激怒したなら話し合いの場で中国政府から何らかの言及があったはずだが、それはなかった」と語っている。さらに、スコット・モリソン連邦首相はこの問題については一切触れず、「外国人の政治献金を禁じた法制が2019年1月1日から発効している」ことに触れ、また、自由党が過去に黄氏から受け取った政治献金を返す考えもないことを明らかにした。

 黄氏は2017年に中国共産党政権との関係を否定しているが、親中国政府のロビー活動をしていたことは既知の事実になっている。
■ソース
Australia denies citizenship to Chinese political donor Huang Xiangmo and strips his permanent residency

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