モリソン連邦首相、アボット候補の発言を叱責

「ホーク元連邦首相死去の政治利用発言」と

 選挙を2日後に控えた5月16日のボブ・ホーク元労働党連邦首相死去の知らせに、政界は党派を超えた弔辞が寄せられているが、トニー・アボット元自由党連邦首相が、「ホーク氏は心は労働党でも頭は自由党」と発言、現在の労働党がホーク氏の定めた針路を外れていると批判した。

 このアボット発言に対しては労働党候補者から、「人の死を政治的に利用する悪趣味な発言」との批判が出ていたが、スコット・モリソン連邦首相は、「自分ならそういう発言はしない」と距離を置いている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 アボット氏はマルコム・タンブル前連邦首相を支持する自由党内中道派によって首相の座を追われてバックベンチに降りて以来、徐々に右傾化する発言が自由党内でも問題視されるようになり、同氏のワリンガー選挙区では自由党支持者が無所属対立候補を支持する始末になっている。

 ホーク氏死去の発表から何時間も経たないうちにその死を政治的に利用する発言は一般国民からも疑問の声が挙がっており、モリソン首相も、「自由党員がホーク氏の死に哀悼の言葉を述べる際には政治的に利用していると見られないよう気を配ってもらいたい」と発言した。

 モリソン首相は、「ホーク氏はオーストラリア国民の心を一つにまとめた指導者で、その知的力量も群を抜いていた。自由党支持者も労働党支持者もホーク氏の政治を評価できたし、私ならホーク氏の業績をそういうふうに考える」と語った。

 17日朝の2GBラジオ番組に出演したアボット氏は前日の発言を取り消さなかったが、「ホーク氏は、その野人的な気風と人柄で好かれていた」と付け加えている。

 労働党系の人物の死に際しての発言で、アボット氏がたしなめられることは初めてではなく、氏が首相を務めていた時期にゴフ・ウィットラム元労働党首相の妻、マーガレットさんが亡くなった時にも、「ウィットラム政権にはいろいろと問題があったが、マーガレット・ウィットラムは、ゴフ・ウィットラムの政治的成功に大きく貢献した」と発言して叱責を受けている。
■ソース
Scott Morrison cautions Tony Abbott over ‘partisan’ Bob Hawke tribute

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