ICAC、「不正なれど不法にあらず」

あの手この手の政治資金集金機関

 政治評論家が、「オーストラリアの政治の現状は、アメリカのように金のあるものが政治を牛耳る社会に向かっている」と嘆いている。

 もともとNSW州でエディ・オベイド氏ら労働党腐敗政治家が血税を吸い上げる機関として水道管理企業AWHを通してシドニー水道局などの事業を請け負って過大請求することから始まり、AWH役員が不法に自由党に政治献金していた疑いを州公的機関の腐敗摘発独立調査委員会(ICAC)が調査を続けるうちに、バリー・オファレルNSW州首相が3000ドルのワインを受け取ったにもかかわらず、ICACで受け取っていないと証言し、その責任を取って辞職するなどすでに労働党だけでなく、自由党からも数人が名前を挙げられている。さらには、ジョー・ホッキー連邦財相が自分の集金機関を設立し、会員制にするなど複数の集金機関を通して政治献金を集めることで報告義務をすり抜けるなど、法の網の抜け穴を利用することで「不正ではあっても不法ではない」資金流通体制を作り上げていたことが暴露されている。

 5月8日には自由党のマリー・フィカラ自由党議員が、ICACで、不動産開発業者のトニー・マーヒに対して自由党の秘密活動資金エイトバイファイブに$5,000を振り込むよう要求した事実はないと否定したが、9日には、調査委員会付きのジェフリー・ワトソン弁護士から、「当時、フィカラ証人は違法と知りつつ、同僚で元州大臣のクリス・ハーチャー氏が設立したエイトバイファイブに入金するよう指示したのではないか」と詰問された。証言の食い違いに対して、フィカラ議員は、「2011年3月17日西ペナント・ヒルズの種苗店のカフェでマーヒ氏と会った。しかし、その日にシルバニアの獣医に預けてあった飼い犬を引き取らなければならず、頭の中が犬のことでいっぱいだった」と言い訳している。

 先にICACでマーヒ氏が、「2009年12月以来不動産開発業者は政治献金を禁じられているが、フィカラ議員にエイトバイファイブに献金し、コンサルタントとして雇うよう言われた」と証言している。また、マーヒ氏の弁護士が、「犬の話を持ち出して言い逃れしようとしており、重大深刻な調査委員会を冗談にしようとしている」と詰問されたが、「犬の話は冗談ではない」と否定している。

 ICACでは、失脚したハーチャー元大臣の顧問でエイトバイファイブ設立者のティム・キールマ、クリス・スペンス、ダレン・ウエバーら自由党政治家、チャールズ・ペロテットらヤング・リベラルズなどの名前が芋づる式に挙がってきている。ペロテットの兄はドミニク・ペロテット新NSW州予算相である。(NP)

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