財相、メディケア診察料$7法案堅持

国民の悪評に元財相忠告したが

 メディケアを持っていても、GPの診察を受ける度に患者が$7の診察料を負担する制度については、「家族、高齢者がもっとも打撃を受ける」との試算もあり、一方で高額所得者を優遇する制度を残したまま、中低額所得世帯に「財政黒字回復」の負担を強いることには経営者団体を除く国内各界の批判が出ている。また、保守連合政権やトニー・アボット連邦首相支持率そのものがじり貧を続けている。そんな折りにピーター・コステロ元保守連合財相が、保守連合の政治全体に響くことをおそれ、ジョー・ホッキー現財相に対して「$7のGP診察料金制度案を廃止してはどうか。国民に評判が悪すぎる」と忠告した。

 しかし、8月11日にはジョー・ホッキー財相が、「いろんな意見があるだろうが政府の方針は変わらない」と$7診察料制度案を断固堅持する意図を明らかにした。ホッキー財相は先に、「$7患者負担制度は抵抗が予想される連邦議会上院を通さなくとも施行できる」と発言している。

 アボット保守連合はすでに選挙公約をいくつも破棄しており、ジョージ・ブランディス法務長官が推進していた人種差別禁止法第18条c項廃止など人種差別発言罰則を緩和する案をすでに引っ込め、保守連合の影のイデオローグ、右翼シンクタンク「インスティチュート・オブ・パブリック・アフェアズ」がこれに怒って反アボット・キャンペーンを計画していると伝えられている。また、高額所得女性優遇の有給産児休暇(PPL)も事実上棚上げになっている。

 ホッキー財相は、「この予算案は経済全体にわたる行動戦略の一環であり、これだけを落とすというわけにはいかない。$7患者負担制度はまだ終わってはいない」と語っている。ホッキー財相は先にも、「労働、緑が上院で妨害しても、他に立法を経ずに節約できる項目はたくさんある」と発言し、国民には、「まだこれ以上削るつもりか? まだ隠していることがあるのか?」と警戒心をかき立てるという裏目に出た。今回も「経済全体にわたる行動戦略」が何かという国民の疑惑をかき立てる可能性がある。現在もアボット政権の狙っているのはアメリカ型の、貧富の差が激しく、そのために犯罪が横行し、医療費は世界最高水準でありながら平均寿命は短いという弱肉強食型経済ではないかと警戒されている。

 ビル・ショーテン労働党党首は、「誰がホッキーの経済改革を望むのか、ピーター・コステロでさえも嫌っているではないか。過ちを認め、国民の望む予算案を作り直してはどうか」と語っており、大学学費自由化や学費ローンの利用者負担を大きくする法案なども反対運動を展開する用意を語っている。(NP)。
“http://www.abc.net.au/news/2014-08-11/hockey-forging-ahead-with-medicare-co-payment/5661968

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