「貧乏人は車を持っていない」と財相

ガソリン税値上げ発言に豪社会反発

 ジョー・ホッキー財相は、ラジオに出演して、「自動車燃料税値上げは累進課税。なぜなら貧乏人は車を持っていないし、持っていても長距離を走らない。金持ちは車を何台も持っているからそれだけ自動車燃料税負担も大きい」と発言した。これに対して直ちにエコノミスト、福祉団体、ドライバー団体から反論が殺到した。ホッキー氏には、高額所得者に甘く、中低額所得者に厳しい予算案作成後に連邦議事堂の庭でマシアス・ゴーマン予算相と共に葉巻をくゆらす姿がたたっており、「傲慢で社会の現実に無知」とのラベルが貼られている。自家用車中心のオーストラリア交通社会では、低所得者の住む住宅費の安い地域は学校や医療その他の社会基盤が整っていない上に公共交通さえも発達していない。低所得者でも車がないとまともな社会生活を営めない仕組みになっている。

 8月14日にはホッキー財相が自説を擁護し、「自分に対する批判は気にしない。自分は貧乏人の車の使い方という現実を指摘したまで」と反発している。さらに、「統計局(ABS)のデータでは最高所得層20%の燃料税負担は最低所得層20%の3倍以上になる。ABSのデータは自分がでっち上げたものではない」としている。しかし、最高所得層20%の平均所得は最低所得層20%の平均所得の3倍以上になるから低所得層の方が収入あたりの燃料税負担が大きくなる。2001年の連邦議会図書館でもその結論に達しており、「自動車燃料税は逆累進課税」と述べている。その点について指摘されると今度は、「いや、まあ、それは間接税全てに当てはまること。消費税を導入した時にも大幅な減税を行った」と言い訳している。

 ホッキー発言は同僚の保守連合議員からも反発を受けている。特に農村部や過疎部住民の利害を代表するジョン・ウィリアムズ国民党上院議員は、「我が国の低所得者層は農村部に住んでいるが、その人達は自動車がなければ生活できない」と発言、イアン・マクドナルドQLD州自由国民党上院議員も「農村部には公共交通機関もない。金持ちであろうと貧乏であろうと車を持たなければならないのが現実だ。残念なことに燃料税引き上げは、他に移動手段を持たない人々を厳しく直撃することになる」と発言している。

 また、アンソニー・アルバネージ労働党議員は、「ホッキーという男は、初の予算案で国内の公共交通プロジェクトの資金をカットした人物だ。この政府は国民に車に乗るよう仕向けた上で燃料税を引き上げようとしている」と語っている。

 ホッキー財相は、この2週間、積み残しの予算案法制を通過させるため、パーマー統一党など弱小右派政党との交渉を続けている。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-14/hockey-under-pressure-over-petrol-excise/5669570

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