新反テロ法、上院通過成立確定

国内情報機関に大幅権限付与

 9月25日、連邦議会上院は新しい国家安全保障関係法案を可決した。この法律はインターネット通信の情報収集や令状なしのテロリスト容疑者逮捕勾留、海外の「テロ活動」指定地域渡航者に「テロ活動に関わっていないこと」を証明する立証責任を負わせるなどこれまでの民主主義の原則から大幅にはずれた内容になっている。従って、同法で逮捕起訴された者が違憲訴訟を起こすことも大いに考えられる。この法案は、与党保守連合、野党労働党、パーマー統一党が賛成、緑の党と自由民主党のデビッド・レヨンヒエルム議員、ニック・ゼノフォン、ジョン・マディガン無所属議員が、将来この法律により予想しない危険な結果になるとして反対票を投じた。

 また、「国家安全法制修正法案」の成立で、公安当局が個人のコンピュータのデータを調べたり、海外在住オーストラリア国民をスパイすることが容易になり、情報機関職員の身許を公開した者に対する罰則も強化され、機密情報を公開した者は最高10年の懲役刑が科せられ、ジャーナリストもその対象になるなど、かつての社会主義国家を思わせる厳しい個人の自由と権利の制限が盛られている。

 また、隠密の「特別情報収集活動」に携わる国内情報機関職員が刑事・民事訴訟による処罰から免責され、海外諜報機関ASISが在外国民をスパイし、また管理職の監督なしにASIOと協力することができるようになる。

 緑の党のクリスティン・ミルン、ゼノフォン両議員は、諜報機関の収集した情報を公開した者に対する罰則が強化されることに対して、「ジャーナリストや内部告発を妨げることになる。出版の自由に対する潜在的脅威になる」と反対した。またレヨンヒエルム議員は、「『特別情報収集活動』に携わる諜報機関員を刑事・民事罰から免責する条項はASIO職員が容疑者を拷問することも許すことになる」との反対意見を述べている。

 ジョージ・ブランディス法務長官はこれらの懸念を取り越し苦労としているが、「議論が脇道にそれないよう条文を変更する」としていた。この条文修正のため、上院を通過した法案は一旦下院に回され、そこで可決されて初めて立法化される。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-09-25/new-counter-terrorism-laws-pass-the-senate/5770256

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