11月10日、自動車燃料大幅値上げ

議会通さず、石油関税引き上げで対応

 トニー・アボット連邦政府は、ジョン・ハワード保守連合政権時代に据え置きになっていた自動車燃料税を5月予算案で引き上げる予定だったが、当初、「燃料価格が上がれば消費量が減る」という想定で燃料税引き上げを支持していた緑の党が、「燃料税収入が道路建設に用いられ、化石燃料消費と温室化ガス放出が増えるだけ」として決定を変更し、労働党、パーマー統一党(PUP)と歩調を揃え、燃料税引き上げに反対の意向を示していた。そのため、政府は同税案を実現することができずにいた。

 しかし、主導権を持つアボット保守連合政権は、議会を通さずに政府の行政措置で可能な石油の輸入関税引き上げで実質的に燃料税引き上げと同じ効果を得るという対応に出た。アボット首相は、「政府は財政黒字回復の義務がある」と同対応の理由付けをしている。

 この対応で11月10日から自動車燃料が1リットルあたり、半セントほど値上がりし、政府は「燃料税は全て新規道路建設に充てる」としており、アボット首相の「21世紀の道路ネットワーク」に沿った方針になる。しかし、現実には自動車燃料の値上がりは1リットル半セントより高くなると予測されている。

 マシアス・コーマン予算相は、「2015年度見積もりで20億ドル以上の税収増になるが、1年以内に議会で批准を受けなければならない。もし、議会が否決すれば、事前に徴収した輸入関税増税分はドライバーではなく、石油会社に払い戻すことになる」として、野党労働党や緑の党に対して恫喝を加えている。

 これに対して、SA州政府のトム・コウトサンドニス財相は、「コーマン財相は他人を経済に女々しいやつと呼んだが、自分こそ議会の審査に逃げ腰で避けて通る卑怯者もいいところではないか」と批判し、豪自動車ドライバー団体のAAAのアンドリュー・マケラー理事長も、「率直に言って、政府の弱腰は、こっそりと国民をだまし討ちしようとするもの。腑抜けた行動だ。そもそも予算案での原案さえ上院での審議も受けていないのに、審議を回避して政府の行政措置でごまかそうとしている」と批判している。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-10-28/tax-on-petrol-to-increase-on-november-10/5846882

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