家畜に海藻を与え、温室化ガス削減

ジェームズ・クック大学の科学者の研究

 家畜に特定の種の海藻を食べさせるとげっぷに含まれているメタンの量を抑えることができるという研究が進められている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 大気中の濃度ではメタンより二酸化炭素の方がはるかに大きいため、二酸化炭素が温室化ガスとして問題にされるが、温室化効果ではメタンは二酸化炭素の21倍にもなる。メタン発生源は何種類もあるが、オーストラリアなどでは家畜のげっぷやおならに含まれるメタンの量が無視できない。QLD州タウンズビルのジェームズ・クック大学(JCU)の科学者チームが家畜に特定の種の海藻を食べさせるとげっぷ中のメタンの量が減ることをつきとめ、最適な海藻種を探っている。

 同大学水産養殖のロッキー・デ・ニス教授は、牛のメタン放出を抑える海藻の効果を研究する連邦科学産業研究機構(CSIRO)に協力してきた。デ・ニス教授とCSIROは、牛の飼料にわずかな量の乾燥海藻を加えるとメタン放出量を最高99%抑えられることを発見した。

 デ・ニス教授は、「最初は海藻も20種ほどで試してみたが、一気に紅藻の一種がとりわけ効果があることを突き止めた」と語っている。この紅藻はAsparagopsis taxiformis(和名カギケノリ)と呼ばれるもので、JCUの研究者達はQLD州の海岸でこの海藻を熱心に集めてきた。

 デ・ニス教授は、「農業では、温室化ガス放出量の中でもメタンが最大級であり、この発見が気候変動対策に役立つことと期待している。しかも、家畜の出すメタンの大部分がげっぷであり、おならに含まれている量より大きいと語っている。

 研究チームは、海藻の効果を調べるため、密閉した人工第一胃をつくり、成牛の第一胃から細菌を採取して人工第一胃に植え、牧草と各種海藻を加えて発酵させ、その圧力を測ることでメタンガス生成量を測定した。羊の場合、飼料に2%の紅藻を加えると72日間にわたり、メタン生成量が50%から70%低くなった。

 しかし、まだ大きな問題が横たわっており、国内の何百万という牛に与えるだけの紅藻を集めることがコスト高になるということであり、最終的に紅藻を養殖しなければならない。
■ソース
Feeding cows seaweed could slash global greenhouse gas emissions, researchers say

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