オーストラリアの研究者新抗がん剤を開発

マウスのがん細胞が「睡眠状態」に

 ウォルター・アンド・エリザベス・ホール医学研究所のティム・トーマス、アン・ボス両准教授とジョナサン・ベイル教授らの研究グループががん研究を大きく前進させたと報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 グループは、動物の体内のがん細胞を永遠に睡眠状態に置く新しいタイプの薬剤の開発に成功したと報告されている。

 この薬剤を投与したマウスの体内の血液と肝臓のがん細胞は死んではいないが、細胞分裂も増殖もできなくなっている。研究グループは、人間のがんの進行を止めたり、再発を遅らせたりする上でも効果があるのではないかと期待している。

 この薬剤の開発には10年近い歳月を要しており、従来のがん治療法のような強い副作用を伴わずにがん細胞の増殖を防ぐことができる、初めてのタイプの薬剤である。

 8月2日発行のNature誌に掲載されたこの研究では、マウスの血液・肝臓のがんの進行を阻止し、またがん再発を遅らせるのに効果のある薬剤を発見したとしている。

 トーマス博士は、「この薬剤は臨床前モデルでもかなりマウスはよく耐えており、がん細胞に対してはかなり効力があった。また、健康な細胞には何の影響もないようだった」と述べている。従来の化学療法ではがん細胞に回復不可能なDNAへのダメージが起きるが、健康な細胞にもダメージがあり、これが化学療法の副作用として現れる。

 開発された新薬はがん成長を促す特定タンパク質の産生を阻止するようにつくられており、ボス准教授は、「このクラスの化合物は、がん細胞中の細胞サイクルを開始する引き金となる能力をスイッチ・オフすることでがん細胞の細胞分裂を停める働きがある」と述べている。

 新しく開発されたKAT6AとKAT6Bという新薬について、トーマス博士は、「この薬剤は私達のコンセプトの正しさを裏付けている。次のステップは人間のがん患者に適した薬剤を開発することだ」と語っている。
■ソース
Australian researchers develop new drug that puts cancer cells to ‘sleep’ in mice

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