メルボルンでピーナツ・アレルギー研究

微生物と少量のピーナツで改善

 メルボルンの医学研究所が中心になって行っている研究でピーナツ・アレルギーの子供に「プロバイオティック(善玉細菌)」と少量のピーナツを与え、アレルギーがわずかながら改善されるという結果が出たと発表されている。

 ただし、研究者は、「実験途中で激しいアレルギー反応を起こした子供もいた。研究は常に医師が立ち会っており、直ちに措置できる状態で行っている。決して家庭でまねしないでいただきたい」と警告している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙の報道によると、マードック・チルドレンズ・リサーチ・インスチチュートの研究で、プロバイオティックを与え、与えるピーナツも少しずつ量を増やしていく方法で研究に参加したピーナツ・アレルギーの子供の80%以上が耐性を見せるようになった。

 研究に参加したのは1歳から10歳までの子供60人ほどで、18か月にわたって毎日プロバイオティックまたはプラセボ(偽薬)を与えられた。その後2週間から5週間かけてピーナツ耐性を評価している。プロバイオティックを与えられた子供では80%以上がこの期間後にピーナツに対する耐性を示したのに対して、プラセボを与えられた子供では耐性を示したのは4%に満たなかった。

 研究責任者のミミ・タン准教授は、「この研究結果は素晴らしい。長期的なピーナツ・アレルギー治療に結びつけたい」と語っている。また、「西洋で食物アレルギーの率が増えている。おそらく衛生環境が発達したことから、子供の体に様々な細菌が入ることが減り、健全な免疫系を作り上げることができなくなってきているのではないか。現在のオーストラリアでは10人に1人が食物アレルギーで、3%程度がピーナツ・アレルギーだ。現在のところ、食物アレルギーの人にはアレルギーの食品を口にしないことというのが唯一のアドバイスだが、現実には実行が非常に難しく、誤ってアレルギー食品を口にする危険が常にある」と語っている。

 さらに、「ピーナツを微量から少しずつ増やして感受性を下げる方法もある程度効果があるが、この研究ではプロバイオティックとして乳酸菌を使った。ただし、家庭で試すことは非常に危険だ」と述べている。
■ソース
Peanut allergy treatment success by Melbourne researchers brings hope of cure

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