2019年5月 ブリスベン総領事館便り 海外農業研修プログラム

ブリスベン総領事館便り

ブリスベン総領事館便り

日本から派遣された9人の研修生との集合写真
日本から派遣された9人の研修生との集合写真

読者の皆様は、QLD州北部のボーウェン(Bowen)という町を訪れたことがありますか? ウィッツサンデー地方行政区(Whitsundays Regional Council)の街の1つで、世界遺産のグレート・バリア・リーフに面したビーチが美しい風光明媚な地域です。山口県の海沿いの町で育った私は、どこか懐かしいボーウェンの雰囲気が気に入っています。

今年3月、ボーウェンに日本の農業を支える男女9人の農業研修生がやって来ました。日本の国際農業者交流協会が60年以上にわたり、農業先進国のアメリカ、デンマーク、ドイツ、スイス、オランダなどへ研修生を派遣している「海外農業研修プログラム」の一環です。オーストラリアへの派遣は今回が初めてで、ウィッツサンデー地方評議会、ボーウェン・ガムル農業生産者協会、ボーウェン商工会議所や地域の人びとの協力により実現したものです。

なぜ、QLD州が選ばれたのでしょう。オーストラリアから日本へ輸出される農産物といえば、日本人の食生活に欠かせない牛肉、砂糖、小麦が思い浮かぶと思います。QLD州は農業が盛んで、牛肉、砂糖、小麦、トマト、バナナ、パプリカ、マンゴーなどが生産され、日本へも輸出されています。ボーウェンも温暖な気候と肥沃な農地を活用しておいしいトマトやマンゴーが生産されています。

今回の研修生は、大学農学部の現役及び卒業生、農業大学校や園芸専門学校の卒業生、社会人経験者などさまざまで、北海道、埼玉県、茨城県、愛知県など日本全国から参加しています。TAFEでの短期英語研修の後、来年3月までボーウェン地域の農家に配属され、農業技術や知識を身に着けつつ、農業ビジネスや輸出戦略も学びます。

3月14日、ウィルコックス・ウィッツサンデー市長主催で、研修生の歓迎レセプションがボーウェンで開催され、田中一成・在ブリスベン日本国総領事と私も参加してきました。研修生は、市長を始め多くの地域の人びとに温かく迎えられました。レセプションでは、市長より「ボーウェン地域の人びととの交流を通じ、かけがえのない友情を育んでもらい、研修で身に着けた農業技術や知識を日本の農業に役立てて欲しい。そして、研修終了後には日本の家族や友人を連れてウィッツサンデーを再び訪問してもらいたい」との言葉がありました。

翌朝、研修生の1人が配属されるトマトの大規模農園の圃場(ほじょう)や選果施設を視察しました。私自身、農学部の出身なので、付属農場での宿泊研修を思い出しました(と言っても20年前の話ですが)。

9人の研修生は、それぞれ農業に熱い思いを持っており、研修で身に着けた技術や知識だけでなく、ボーウェンでの生活で得られた経験は、日本の農業に生かされることでしょう。研修生が収穫したトマトやパプリカは、今日もどこかのスーパーマーケットの棚に並んでいます。(投稿=三宅大介・在ブリスベン日本国総領事館領事・経済担当)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る