旦那はオージー「地上の楽園アサートン高原で新米日本語教師編 その3」

旦那はオージー

第29回
地上の楽園アサートン高原で新米日本語教師編
その3

【前回までのお話】オーストラリアへ移住後、アサートン高原へ引っ越し、念願のフルタイムの教師へ転身した。

日豪の学校システムの違いについて(第2回)

年間12週間の有給に加えて、10年ごとに3カ月のボーナス休暇もあるオーストラリア! オーストラリアの学校は4学期制で、10週で各学期が終わる。学期間には各2週間の休業がある。QLD州では年度末の12月の2週目終了。年度末休暇は6週間、つまり「年間12週間」の長期休業がある。クリスマスを挟んでいるため、皆この休みを心待ちにしている。

日本は部活動や進学講習で休業中も忙しいのだが、オーストラリアの学校では休業中は誰もいない。事務室まで空っぽになる。日本では休業中も職員が必ず電話当番をしているから、最初は「こんなことでいいの?」と驚きの連続だった。

特に驚いたのが「ロング・サービス・リーブ」というシステムだ(同じ学校・会社に10年以上勤務した労働者に与えられる約3カ月の長期休暇。ただし条件は州によって異なる)。学期終了前にこのシステムを利用して、早めのバカンスに出かける教員が少なからずいた。

イラスト=たこり
イラスト=たこり Web: takori.go-jin.com

日本では結婚したばかりの教師でも遠慮して、長期休業に入るまで学校を休まなかった。こちらでは「休暇は権利」であるから、誰にはばかることもなくしっかり取れる。

たとえ管理職であっても問題ない。勤務校の校長が「年度末前に1カ月も早く休みに入る」と聞いた時「なんと、無責任な!」と思ったのだが、そんな風に考えている同僚は1人もいなかった。日本的な考え方は、こちらでは通用しないのだと思った次第だ。

授業終了時間5分前になると、勝手に片付け始める生徒たち

日本の学生も教師も、かなり真面目だ。授業時間の最後の最後まで、きっちり勉強をする。残り時間1分だって無駄にしない。しかしそのような感覚は、こちらでは通用しなかった。

特に金曜日の6時間目ともなると、授業が終了する5分前には勝手に片付け始めてしまう。止めようとしたが、「スクール・バスが来てしまうから」と、ベルが鳴るとさっさと教室から出て行ってしまった。

無力感を感じた時だった。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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