旦那はオージー「オージー生徒の日本旅行記 その3」

第39回
オージー生徒の日本旅行記 その3

【前回までのお話】オーストラリアへ移住後、清掃人、ウェートレスを経てフルタイムの教師へ転身。

原宿で5万円入りの財布を落とした生徒

海外旅行に行ったことがある者もいたが、海外は初めてという生徒がほとんどであった今回の旅。ダーウィン市内は電車も走っていない車社会なので、地下鉄改札口で切符を機械に入れるのも初めて体験したという生徒がいる。普通の切符だから、使い終わったら戻ってこないのに、出てこない切符を待って改札口で立ち尽くす生徒もいた。

日本国内では、外国人専用のJRレール・パスという2週間有効の切符を使って移動した。格好悪いかもしれないが、パスポートとJRパス入りの小さなクリア・フォルダを首から掛けさせた。これが大成功だった。携帯電話や財布を無くす生徒がしょっちゅういたから、このフォルダを使わなければ、切符を紛失する生徒が続出しただろう。

原宿で自由行動をさせた時、5万円入りの財布を落とした男子中学生がいた。彼は全財産を落としたことにショックを受け、さめざめと泣いていた。私は「大丈夫だ。日本人は正直で有名だ。津波で200個以上の家庭用小型金庫が流されたけれど、そのほとんどが持ち主に戻ったんだよ。最後まで希望を捨てないで」と励ましながら、一緒に探し続けた。さて、財布はどうなったかというと、原宿駅に届けられていた。日本人であることが、誇りに思えた瞬間だった。

5歳以上年上に見える生徒たち

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

オーストラリアの中学生が、日本では大学生くらいにしょっちゅう間違えられていた。小顔で足が長い(体の半分が足である!)女の子たちは注目の的であり、姉妹校の日本人高校生から「可愛い! 彼氏はいるの?」などと質問攻めにあっていた。

高校生は20歳以上に見える。その逆に日本の高校生は13歳くらい、下手すると小学生に見えるのだ。「アジア人は若く見える」とは言え、日本から生徒を引率してきた教諭は26歳なのに、高校生くらいに見られていた。これは笑い事ではない。

宿泊先のホテルでは「お母さんはどこ? 1人で旅行して偉いわね」などと言われていたからだ。


ポップ登美子
北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

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