第46回 広島・長崎原爆展 

JFPピースフル通信

 

オーストラリア国内の平和への動きについて、
お伝えするコラム JfPピースフル通信

 

第46回 広島・長崎原爆展
プレストン香寿代(JfP代表)

 

JfP協賛で核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)主催の「広島・長崎原爆展」がメルボルンのガスワークスで10月9〜28日に開催。広島平和資料記念館提供の原爆写真パネルや遺品70点が展示された。開会式には150人が集まった。

「長崎で原爆が投下されたその瞬間に見た閃光と、燃え上がった空の記憶は鮮明に残っている。それが2度目に投下された原爆で、一瞬にして3万9,000人の命が犠牲となり、2万5,000人もの人々がひどく負傷していたということには気付いておらず、その時は兵士仲間とともに戦争が終わることをただ単に喜んでいた」と語ったのは、ゲスト・スピーカーであるトム・ウレン氏(90)だった。

彼は3年間日本軍の捕虜となり、タイとミャンマーを結ぶ鉄道で劣悪な強制労働を強いられた後、長崎に送られた。戦後32年間政治家として活躍し、ウィットラム首相とホーク首相の時代の大臣も務め、ベトナム戦争中は反戦を訴え、核実験にも積極的に反対してきた。20代前半に過酷で悲惨な体験をしたウレン氏の「人類が同じ過ちを繰り返すことがないよう、核の脅威のない平和な世界を築き上げる努力が必要である」と締めくくったスピーチは、胸に強く響いた。

原爆展期間中に来場した学校は12校。広島の被爆者の方と生徒たちを繋いだスカイプによる対話もあり、原爆について被爆者の方から直接学ぶ貴重な機会となった。生徒たちは「重く衝撃的だったが、人類が知るべき史実であり、そこから学ばなくてはいけない」「たくさんの人に原爆展を見てもらって、理解が深まることにより、現実の核兵器の問題を直視することができる」などと話した。

またICANキャンペーンとして、広島のICANユース・チームの学生たちが今年8月から折り鶴プロジェクトを始め、既に190カ国の各首脳に核兵器廃絶の賛同を願う手紙と千羽鶴が送られている。これについて、バン・ギムン国連事務総長は「世界中の人々からの協力と賛同を得るに値する素晴らしいプロジェクト。最終目的とも言える核兵器禁止条約の交渉を大きく前進させるものでもあり、核の脅威のない平和な世界を築く努力を惜しまない、創造的で画期的な試みである」と絶賛した。同様の賛同メッセージが世界各国から次々に届いている。

冷戦時代が終わりずいぶん減ったものの、核弾頭が未だこの世界に1万9,000個もある中、若い世代が平和を願い積極的に取り組む姿を見て、一筋の希望の光を感じた。

Web: www.icanw.org

Web: www.facebook/icanw.org


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Japanese for Peaceプロフィル

2005年3月に設立した日本人を中心とする平和活動グループ。毎年8月に広島・長崎平和コンサートを開催。そのほか多数のイベントを企画すると同時に、地元のグループや活動家、他民族のグループとも交流を持ち、平和活動のネットワークを広げている。
Web: www.jfp.org.au
Email: info@jfp.org.au

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