テイラー下院議員

政界こぼれ話人物編 その183

テイラー下院議員


自由党のアンガス・テイラー連邦下院議員は1966年9月30日に、首都キャンベラから車で1時間ほどのNSW州の地方都市クーマで誕生している(49歳)。男4人兄弟である。実家は富裕な牧畜業者で、父親はNSW州農業団体の会長や、農業圧力団体のピーク組織である全国農業連盟(NFF)の副会長を務めるなど、「農業政治」で活躍した。また母方の祖父は戦後の代表的な「国家建設事業」、スノーウィー・マウンテン水力発電プロジェクトの責任者であった。

テイラーは地元の公立学校を経て、富裕層の子弟が集まる名門私立校として有名なキングスに進学し、寄宿舎生活を送っている。ちなみにキングス出身の大物政治家としては、国民党のアンダーソン元副首相やベアードNSW州首相がいる。その後シドニー大学に進学し、どちらも優等で経済学士号と法学士号を取得。しかも経済では大学メダルを受章、すなわち経済学部を首席で卒業している。さらに、栄誉あるローズ奨学生にも選ばれて英国オックスフォード大学に留学し、同大学より経済学の修士号も取得している。帰国後は、世界的な経営コンサルタント企業のマッケンジーに入社し、入社5年でパートナーにまで昇格。また、豪州の大手経営コンサルタント企業にも勤め、農業、インフラ、資源・エネルギー業界を専門とするコンサルタントとして大活躍している。ただ、テイラーは比較的若い時代から政治に関心を寄せ、政界入りのチャンスをうかがっていた。

そのチャンスが12年にようやく訪れている。それは、NSW州のヒューム選挙区の現職自由党連邦下院議員であったシュルツが(注:個性的で地元では人気があった。既に逝去)、次期選挙への不出馬を宣言したことであった。これを受けてテイラーは、地元の予備選挙に出馬して自由党の公認候補に選出され、そして翌13年9月に実施された本選挙で見事初当選を果たしている。要するにテイラーはまだ1年生議員に過ぎないが、華麗な学歴や職歴からも予想されるように、早くも将来の自由党を背負う逸材と目されている。前任のシュルツなどは、将来の首相候補とぶち上げていたほどである。テイラーが近い将来に閣僚となることは間違いあるまい。

思想的には自由党の右派に分類できる。人当たりの良い魅力的な人物である。なお、議員になってからのテイラーは、反風力発電の言動で注目された。本人は地球温暖化現象を疑ってはいないとしているが、一部の者にとって温暖化問題は宗教のようなものと揶揄するなど、「懐疑派」的言動を繰り返している。趣味はスポーツ、特に自転車とランニングだが、実はテイラーは09年に開催された、年齢層別世界鉄人レース選手権に豪州代表で出場したという、正に文武両道を地で行く人物である。妻のルイーズとの間に2男2女がいる。

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