タスマニア産の本格蕎麦で年送り

それでも するメルボルン

タスマニア産の本格蕎麦で年送り

今年も残すところあと少し。師走に入った途端、時間が2倍速で過ぎていく。毎年クリスマス準備に時間を費やし、その後はパーティー・フードでもたれた胃と格闘しているうちにあっけなく年末になってしまうが、やはり年越しはさっぱりとした蕎麦を食べ、粛々と新年を迎えたいものだ。

パーラメントから歩いてすぐの所にある「新ばし」はメルボルンで唯一手打ち蕎麦が味わえる店。月2回タスマニアから届く蕎麦の実をその日の分だけ店内の石臼で丹念に挽いて打つため、いつ行ってもフレッシュな蕎麦を頂くことが出来る。タスマニアは1日の寒暖の差が激しく、これが日本の名産地と気候が良く似ていることから、蕎麦好きの間では名産地として知られている。季節が逆であることを利用して「新蕎麦」を日本に多く輸出しているというから、品質はお墨付きだ。

蕎麦のおいしさをとことん味わえる「天ぷらせいろ」($19)は、上品な色の二八そば(小麦粉が2割)が美しく盛られ、カラリと揚げられたエビやナスの天ぷらと一緒に頂ける。蕎麦の実の内側だけを使い、細打ちされた麺は驚くほどのど越しが良い。そして日本から直送されたサバ節と鰹節のブレンドで作られただしの、深みある味は蕎麦と実によく合う。最後に出される蕎麦湯でつゆの風味を最後まで楽しめるのが嬉しい。日本産とろろを使った「とろろせいろ」($18)や「梅おろし蕎麦」($18)も日本の味そのままで、それを求めて通う常連さんも多い。

手打ち蕎麦の歯ごたえ、のど越しをメルボルンでも堪能できる
手打ち蕎麦の歯ごたえ、のど越しをメルボルンでも堪能できる

蕎麦に魅せられ、料理人から蕎麦職人になった店主の熊山さんがこだわるのは「挽きたて、打ちたて、茹でたて」であること。簡単に聞こえるが、良い素材と職人技術があってこそ出来ることだ。大みそかには「年越し蕎麦」のお持ち帰りが出来るので、本格的な味を楽しみたい人はぜひ事前に予約を。

年越しに蕎麦を食べるという風習だが、蕎麦が切れやすいことから「今年1年の災厄を断ち切る」という意味で、江戸時代に定着したそうだ。何百年と続く日本の素晴らしい伝統が海を越えたこの地でも受け継がれていることに感謝しつつ、今年もおいしく締めくくりたい。

来年も素晴らしい年でありますように!皆様、良いお年をお迎えください。

■「新ばし」
17 Liverpool St., Melbourne VIC
営業時間:11:30AM~3PM(月~土)、6PM~10PM(月~木)、5:30PM~10PM(金~日)
Web: www.shimbashisobamelbourne.net

泣いたり、笑ったり、怒ったり、異国で暮らす毎日はいろんなことがあるけれど、日々発見することがたくさん。「この街に恋するように暮らしたい」がモットーの2児のママ・エディターが綴る、メルボルンのライフスタイル、美味しいもの情報。(文=大木和香)

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