編集部イチ押し! 8月の新作映画をチェック

辛口コメントで映画を斬る、映画通の日豪プレス・シネマ隊長と編集部員たちが、レビューやあらすじとともに注目の新作を紹介 ! レイティング=オーストラリア政府が定めた年齢制限。G、PG、M、MA15+、R18+、X18+があり、「X18+」に向かうほど過激な内容となる。作品の評価は5つ星で採点結果を紹介。

トレインレック
Trainwreck

コメディー/M15+ 8月6日公開 満足度★★★

隊長が観た!

『40歳の童貞男』でエッチ系コメディー映画監督として一躍有名になったジャド・アパトー監督。その後も『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』や『40歳からの家族ケーカク』など、下ネタ連発の映画を立て続けに監督し、製作に携わった映画も、これまた『寝取られ男のラブ♂バカンス』、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』と相変わらず!本当に、下ネタ映画の大御所と呼んでもいいほどだ。この監督のすごいところは、下ネタを単純なバカ映画では終わらせないところ。キャラクターの描き方が上手いので主人公に素直に共感でき、思わずホロリとさせらて、最後には感動して映画館を後にすることができる。「下ネタで大爆笑していた自分が何で泣いてるの?」という展開に毎回なってしまうのだ。

そんな彼の最新作がこの『トレインレック』。子どもたちを前に、娘の持っている人形を例えに、いかに一夫一婦制がダメなのかを力説するお父さん。そんな父親を持ったエイミーも大人になり、彼の影響か、男を取っ替え引っ替えワン・ナイト・ラブを繰り返す日々を送っている。ある時、男性誌の編集者であるエイミーは、スポーツ・ドクターのアーロンにインタビューをすることになり、ご多分に漏れずそのまま一夜をともにしてしまう…。いつものワン・ナイト・ラブと思っていたら――。フツフツと沸き上がる、今までとは違う彼に対する感情に戸惑うエイミー。

これが結構面白い!せっかく理想の人物と巡り会えたのに、過去の男性との付き合い方から、つい本気になることを拒んでしまうエイミー。このあたりのタメの時間がちょっと長い気がしたけど、ついに彼を受け入れる瞬間は、それまでが長かったために、エイミーの高揚感がダイレクトに伝わってくる。

これは憶測だが、ジャド監督は『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』の製作に参加したことをきっかけに、今までの男性を主人公にした映画から、女性目線のコメディーに切り替えてみたくなったのだと思う。この設定、主人公の性別を入れ替えれば、女を次から次へと替えていき、結婚する気がサラサラない男性が、ある日、理想の女性と出会って、ドキマギしてしまう――。なんて、ありきたりのストーリーで終わっていただろう。しかし、その性別を入れ替えて、女性目線で展開しているので、非常に新鮮な仕上がり。また、主演であり、脚本も担当してるコメディエンヌ、エイミー・シューマーの魅力も大きい。美人が演じれば、鼻持ちならないだろうし、ブスでは説得力がなくなってしまう。その点、このエイミー、オージーにいそうなちょっとマシュマロ系が入ったお姉ちゃんって感じで、決して美人ではないけれど、自然体で実にチャーミング。役名も同じエイミーで、脚本には自分の体験談もかなり取り入れられているそうだ。

コメディーというよりは、ラブ・コメに近い感じなので、ちょっと下ネタも多いけど、やはり女性にお薦め(ギャクはけっこう強烈だけど)。女性を主役にしても、いつものジャド・アパトー監督のホロリとさせられるマジックは健在で、最後にはほのぼのとした気分になれる1本。映画の中で、映画館デートのシーンがあって、その時に上映されてる映画にハリポタのダニエル・ラドクリフが出てるのも話題。


エイミー
Amy

ドキュメンタリー/PG 公開中 満足度★★★★★

破天荒な半生を生きた歌姫、エイミー・ワインハウス。スキャンダルの女王とも言われた彼女の歴史を紐解く話題のドキュメンタリーが、いよいよ封切られた。スターダムへと駆け上がったものの、その栄光の裏では、ドラッグやアルコールへの依存から抜け出せずに苦しんでいた彼女の生涯はよく「ぶっ飛んだ」と形容されるが、実際にはどのようなものだったのか――。アシフ・カパディア監督がエイミーをよく知る人たちからのコメントを集め、本人の心情に近い側から描く。


マジック・マイクXXL
Magic Mike XXL

コメディー/M15+ 公開中 満足度★★★★

編集部員が観た!

前作『マジック・マイク』は、主演を務めたチャニング・テイタムのストリッパー時代の実話がベースとなった、異色のダンス映画。隆々とした筋肉を武器に華麗に活躍するストリッパーたちの雄姿に、メロメロになる女子が後を絶たなかったのは今でも記憶に新しい。はっきり言ってストーリー性はあまり感じられない今作。しかしストーリーはなくとも、その分しっかりと肉体美で魅せてくれるので心配ご無用。というわけで、最終的な満足度はなぜか高めに……(個人差があります)。


ラスト・キャブ・トゥー・ダーウィン
Last Cab to Darwin

ドラマ/M 8月6日公開予定 満足度★★★

編集部員が観た!

NSWのアウトバックにある鉱業都市に暮らすタクシー運転手、レックスは末期がんを宣告され、余命いくばくもないと告知されてしまう。ノーザン・テリトリーでは安楽死法が一時的に施行されているとの情報を得たレックスは、処置を受けるべく、決死の覚悟で自分のタクシーで大陸を縦断してダーウィンへと向かうが――。この国の人の郷愁を誘うアウトバックでの街の暮らしが、生き生きとした描写でスクリーンに収まり、好感度高め。硬派ながらも人情味あふれるレックスのキャラも◎。


涙するまで、生きる
Far from Men

ドラマ/M 8月8日公開予定 満足度★★★

編集部員が観た!

「異邦人」や「反抗的人間」で知られるノーベル文学賞作家、アルベール・カミュの短編集から着想を得た物語。舞台は1954年、フランスからの独立運動が高まるアルジェリア。教師のダリュの元へある日、殺人の容疑をかけられたアラブ人、モハメドが連行されてくる。憲兵はモハメドを裁判にかけるため、山を越えた町まで送り届けるようにダリュに命じ、そこから2人の静かで危険な旅が始まる――。難しい時代でも、尊厳を大切に生きようとする2人の男の不思議な絆にほろり。

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