「Quay」

シドニーのあの店この店

結婚記念日を祝った
キー・レストラン
文=食いしん坊ママ

「君の好きなレストランを選んでいいから」。結婚25周年の記念に、主人が誘ってくれた。「嬉しいわ。本当にどこでもいいの ? 」「うん」。ここしばらく出張が重なって留守が多かった主人からの優しいお言葉。「ちょっと考えてもいい ? 」
 さて、どこにしよう…。記念旅行もしたいから、あまり高くないところがいいかしら。でも25周年は一生に1度。思い切って甘えちゃった方がいいわね !『Tetsuya’s』は両親が2年前に来た時に行ったし、『Aria』や『Guillume at Bennelong』はオペラ・ハウスでの公演鑑賞前のディナーで行くこともあるし、ホエール・ビーチの『Jonah’s』はちょっと遠いかしら…。
 丸2日間かけて決めたのはシドニー湾の景色が文句なしの『キー・レストラン』。「いいね、行こう」と私の選択に主人もまんざらではなさそう。予約は主人に頼み、その1週後の土曜日の夜、ちょっとお洒落をして心弾ませながら出かけた。

 サーキュラ・キーの遊歩道をオペラ・ハウスを対岸に眺めながらゆっくり歩き、外国旅客船ターミナルの末端にある『キー・レストラン』に時間通りの午後7時半に到着。
「お待ちしておりました。今日は特別の日だそうですね」と暖かく迎えてくれたレセプショナー。席を案内してくれたスタッフは、「どちらでもお好きな方を」と外と室内の両方の席を案内してくれた。気候も良いので、2人の意見は外で一致。ハーバー・ブリッジを眺めるテラス席に案内されて、キャンベル・コーブのレストランを下に見下ろし、ハーバーを真正面に眺める絶景を手に入れた。
 席に落ち着くと、まずはウエイターが食前酒のオーダーを取りに来た。記念日だから、まずはシャンペンを。「25周年おめでとう」と乾杯し、2人で少しだけロマンチックな気分に浸る。
 ワイン・リストとメニューが届いた。ワインは主人に任せて私はメニューの選択を。4コースのア・ラ・カルト・メニューは各コース5品の中から1品を選ぶ方法だ。ここのエグゼクティブ・シェフのピーター・ギルモアさんはシドニー・モーニング・ヘラルド紙の『Good Food Guide』で最上級の3ハットを獲得・維持している人。ロンドンやシドニーの有名店で修行した後、2001年から『キー・レストラン』のシェフを務めている。オリジナル料理が評判のシドニーでも名だたるシェフのようだ。
 レストランのオーナーはウルムルーにある人気イタリアン・レストラン『Otto』のオーナーでもあるそう。レストラン経営に長けた人なのだろう。
 余談はともかく、主人は20頁もあるワイン・リストを熱心に見ている。接待でここを利用することもあるらしく、食事のメニュー選びにはそれほど時間はかからなかった。メニュー選びを終えると、タイミングよくパンが届き、ワインが届いた。

 主人の選んだワインはVIC州ヤラ・バレー産の“ソーヴィニヨン・ブロンク、1996年Yarra Yarra”。ほどよいフルーティーな香りと味、年代もの特有のコクと爽やかさを感じさせる上品な味わいでとても気に入った。
 それにしても、食事を運ぶその間の置き方と私たち2人の会話の邪魔をしない、テーブルでのサービスのタイミングを心得たスタッフ。ここにウエイターとウエイトレスの質の良さを感じた。
 私が選んだメニューはまず、“Sea Pearls”。パールの形をした4種類のシーフードで、見た目も味わいもまさにデリカシーの結晶だ。次のコースは“Pig Belly”。豚肉では油が多い部位だが、豆腐としいたけの風味で中和されソフトな味覚に仕上げられている。
 そして、メインはやっぱり鯛の“Snapper”。新鮮な白身魚の素材を生かし、繊細な味で優しく包んだ上品な魚料理でした。
 デザートは紛れもない“Chocolate Cake”。リッチながらも、口の中でまろやかにとろけるチョコレート。本当に心までとろけちゃいそうな美味しさでした。
 豪華な味を満喫して全4コースを終了。最後にコーヒーをいただいて、ディナーは午後10時に終了した。2時間半の『キー・レストラン』での贅沢なディナーは、私と主人にとって記念日を祝う思い出深いひと時となった。
 最後に気になるお会計を主人にちょっと聞いてみた。チップを含んで550ドル。「楽しかったから良かったね」とは2人の感想。「ステキなところでお祝い、ありがとう」。私の言葉に主人は微笑んだ。

シドニーのあの店この店
ピーター・ギルモアさん作のシグネチャー・ディッシュ「Sea Pearls 」
シドニーのあの店この店
濃厚な味わいが病みつきになる「Five Texture Chocolate Cake」

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見るからに美味しそうな白身魚の「Snapper」

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レストラン・マネジャーのウイミーさん。ホール・スタッフの管理をする大切な人

シドニーのあの店この店
ハーバー・ブリッジを眺めるベランダ席
シドニーのあの店この店
エグゼクティブ・シェフのピーター・ギルモアさん

シドニーのあの店この店
ゴージャスな景色のファンクション・ルーム

 シドニーに在住して30年。オーストラリアの食生活はヨーロッパや中近東、アジアからの移民が多く入国して以来、ガラリと様変わりした。モダン・オーストラリアンと言われる、言わばオーストラリアに住む移民たちが持ち込んだ各国の素材や要素を利用し、豪州独自の洗練された料理が創り出され定着し出したのもここ10年くらい。今やいろいろな国の本場料理が楽しめるだけでなく、おしゃれなカフェやバーが続出。中には独創的に工夫されたお店や、抜群の景色を眺めるお店なども。また、話題性の多いシェフがどんどん出現して、シドニーのレストラン事情は大きく変貌し、楽しくなった。「食べる」ことが大好きな私は、1週間に3度は外食を楽しんでいる。そんな私の経験から優良なレストランをご紹介するコラムです。
シドニーのあの店この店
DATA
Quey
Upper level, Overseas Passenger Terminal, The Rocks
Tel: (02)9251-5600
Web: www.quay.com.au
ランチ:火~金 正午~2:30PM
ディナー:毎日 6PM~10PM
ちょっと補足
料理:モダン・オーストラリアン。ランチは2コース$68、3コース$85。ディナー4コース$145。階段を上がると景色が抜群の小・中規模のファンクション・ルームもあり、ビジネス会合や結婚式の披露宴などに最高そうでした。
私の評価:(★の量は程度を示す)
高級感 ★★★★★
眺め ★★★★★(大型旅客船が停泊している時はサーキュラ・キーの景色は遮断されてしまうので、ハーバー・ブリッジが見える北の席がお薦め)
快適・居心地度 ★★★★
接待・記念日向け ★★★★★
気楽さ ★★
成人の友人・家族と一緒に ★★★★
幼児/子ども連れ お薦めしません
英語力必要度 ★★★(メニューは行く前にウエブサイトを見ておくことをお薦めします)
費用対価値 ★★★★
要予約 ★★★★★

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