ワイン人生はキンダーガーテンから始まる !?

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ワイン人生はキンダーガーテンから始まる !?

 タイトルだけど、僕は何も、ワイン人生が始まるのは幼稚園からという意味じゃなくて、メルボルンから車で2時間半の所にある、あるユニークな施設のことを指してるんだ。
 VIC州の田舎には、グルメで有名な地域がある。「ミラワ」という小さな町なんだけど、その評判は高くオーストラリア中に鳴り響いている。読者の皆さんはチーズやマスタード、オリーブなどで、ミラワの名前を聞いたことがあるかもしれないね。または、偶然、そこのワイナリー「ブラウン・ブラザーズ」からかも。
 ブラウン・ブラザーズは、その名前から分かると思うけど、ブラウン一家が経営するワイナリーで、最初のヴィンテージは1889年。このワイナリーは、日照りや霜など、あらゆる過酷な自然状況を乗り越えてきた。そして、今ではオーストラリアで一番革新的なワイナリーの1つとして知られている。でも、なぜだろう ?
ここで出てくるのがキンダーガーテン。実はこれ、ワイナリーの開設100周年を記念して、1989年にメインのワイナリーの隣に建てられたミニ・サイズのワイナリーのこと。ここは、小さな区画に分かれていて、新品種の開発や醸造の工夫など、さまざまな試みが何度もなされてきた。

ベン・ホルトの豪州ワイン物語
©SATC/Ben Searcy

 例えば、ワイン・メーカーたちが、どうやってクルシェンとリースリングを掛け合わせたらよいか試行錯誤しているのを想像してみて。2種類の白ワインを何%の割合でブレンドしたら最高のものができるのか、フレッシュで良い香りを保ち、かつほど良く冷やした後にグリーン・カレーと完璧にマッチするような、微妙な甘さを残すには残存糖量をどのくらいにすべきかとかね。ワイン・メーカーたちは、キンダーガーテンで組み合わせをあれこれ変えながら試してみる。そして、そこでの結果に満足したら、テイスティング・コーナーで“テスト・ラン”をする。ブラウン・ブラザーズのテイスティング・コーナーは、国内で最も人気があるものの1つで、年間20万人以上のお客さんが訪れる。お客さんのフィードバックを参考に、ワインをもう1度調整する。このプロセスを数回繰り返して、消費者のニーズに合うワインができたら、やっと商品化されて、もっと大きなワイナリーで製造される。
 ブラウン・ブラザーズは、技術開発に関する逸話が本当にたくさんある。将来、絶対にこのコラムで紹介しなくちゃ。それまでは、ブラウン・ブラザーズの赤ワイン、“Tarrango”を試してほしい。ほど良く冷やして飲んでね。こんなワイン、世界中どこを探しても見つからないよ !

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