ヨーロッパ旅行フランス編 ー 斜面と牡蠣

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ヨーロッパ旅行フランス編 ー 斜面と牡蠣

フランス北部についてもう少しだけ長居させてもらいたい。読者の皆さんは「シャブリ」という産地名を見聞きしたことがあるだろう。どんなところかを調べに行ってみましょう。

車で向かう間、フランス・ワインについてちょっと話そう。世界中の消費者に対して、フランス=ワイン、ワイン=フランスというイメージ。ほかのワイン生産国がたくさんあるにもかかわらず、明らかにその関連性は強く、永続的だ。

フランス・ワインについて1つ注目すべき点は、どこで何の品種が栽培され、収穫量、成熟度、そして多くの場合、どのようにワインが造られるべきかなどの規制が細かく定義されていることだ。この管理システム(正式に原産地呼称統制、「AOC」と言われる)は、フランス産ワインの半分弱に適用する。これが消費者にとって有益かどうかについて、結論は出ていないと思う。新しい試みや、革新の余地は制限されていると想像できるだろう。

数々のオーストラリアの例の通り、ブドウ園がどこに位置しているかによって、すなわち緯度、海抜、太陽に向かっている方位—ブドウの育ち具合と達成可能な風味に大きな影響を与える。これは成長期中の太陽の強さと1日の日照時間がどれだけあったかによる。シャブリの地域について言えば、涼しい気候のためブドウ園の傾斜の方向はベリーの成長にとって重要。南向きが望ましい方向であることは明らかだ。さらに、どの国のワイン造りの地域よりもフランスはワイン造りの長い歴史を通じ、ブドウ園を植え付ける時には、地学にのっとって行っている。フランスの「テロワール」の概念は、基礎岩盤や土壌を理解し、それがどのようにブドウの品質に影響を及ぼすかを具体化したものだ。

シャブリには、ユニークな地質がある。およそ1億5,000年前の古代の海の残骸が固まった石灰岩と粘土土壌がシャブリのテロワールだ。アンモナイト、オウムガイ、牡蠣など、いろいろな種類の化石が土壌から発見されている。イギリス海峡を挟んだドーセットのキンメリッジにある地質に最もはっきり見られる。海岸線の崖がとても豊かな古代の海洋生物の物語を示している。

シャブリは100%シャルドネだ。若い時は明るい緑の色合いでやや硬く石っぽい鉱物の特性。良いシャブリになるには10年もしくはそれより長くかかる。オーストラリアのセミヨンという品種を彷彿させる。

ぜひ、シャブリを見つけて、皆さんの感想を教えてほしい。

ワインについての皆さんの質問を受け付けています。日豪プレスのフェイスブック、メール(viceditor@nichigo.com. au)までお送りください。

ベン・ホルト
◎ヒルトン・ワールドワイド・マーケティング統括本部長(日本・韓国・ミクロネシア地区担当)。QLD大学で文学修士(日本語と韓国語)ならびに科学修士を取得後、在豪日系企業などで食品輸出、商品取引、マーケティングに従事。2002年~07年にオーストラリア・ワイン事務局日本代表、12年5月までオーストラリア政府観光局日本地区マーケティング本部長を務めた後、現職。

Web: www.holt-blog.com
Twitter: Mr_Riesling
www.facebook.com/Ben.Holt.69
 

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