温度とワイン

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

温度とワイン

皆さんの多くはビーチ近くに住んでいるだろう。クリスマスが近づき、気温が上がるにつれ、サーフィン、太陽、砂を考えることが多くなると思う。この時期ほど、オーストラリア生活がありがたく思える時はない。しかし同時に、「いかにワインをベストな温度でサーブするか」という考えが立ちはだかる。

まず、ワインを楽しむ最初のステージとして、温度について理解しよう。温度とは「香り」。「香り」とは「発揮性のある化合物」のことだ。それは何か。分子化合物は香りの要素で、液体(ワイン)内にあると、ある一定の温度で蒸発する(ガスに変わる)。

高校の教科書に戻る必要があるかもしれない。白ワインは概して分子量が低く、発揮性が高い。低い温度であるほどアロマティックで、強く香るという理由がこれで分かる。当然、より重い赤ワインほど、室温、もしくは室温に近い温度でアロマが広がる。

赤ワインは室温、白ワインは冷やして、というのが一般的なルールではあるが、もちろん例外もある。タスマニアのピノ・ノワールや、前回話したボジョレー・ヌーボーのような軽めの赤ワインは、少し低い温度の方が美味しく飲める。タンニンはワインの渋味の度合いだが、温度となると興味深い。例えば冷たい緑茶や抹茶アイスの方が温かいお茶よりも渋味が強い。逆に、カベルネのように重い赤ワインは、少し温かい方が、発揮性物質が出てタンニンがまろやかになり、飲みやすい。

時には、ワインを冷やす必要もある。タンニンのように、ワインの酸味も低温の方が感じやすい。甘いワイン(低い酸味を意味する)や酸味が低いワイン(例えば、温暖気候のシャルドネ)は、冷やした方がさわやかで味が引き締まる。渋味や酸味の感じ方は、季節にも関係している。自分好みのワイン温度に調節できるようにしておこう。サーブする温度も季節によって変わる。夏だったら、赤ワインを室温にするのは簡単だ。実際は、時々冷蔵庫で冷やす必要があるかもしれない。

<サーブ時の温度の目安>
● 冷蔵庫からそのままサーブする(6度前後):スパークリング・ワイン、マスカット、ピノ・グリ、ゲヴュルツト・ラミネール
● 冷蔵庫に入れておき、サーブする直前に出す(7〜10度前後):シャルドネ、リースリング、ロゼ
● 冷たくサーブする(10〜13度):ハンター・バレー・セミヨン、上質のシャルドネ、西オーストラリアのクラシック・ホワイト・ブレンズ
● 12〜14度:バルベーラ、ドルチェット、キャンティのような軽めの赤ワインや、涼しい気候で育ったシラーズ
● 14〜16度:豪産のピノ・ノワール、シラーズ、カベルネ
参考資料:The World Atlas of Wine
ワインについての皆さんの質問を受け付けています。日豪プレスのフェイスブック、メール(viceditor@nichigo.com. au)までお送りください。

ベン・ホルト
◎ヒルトン・ワールドワイド・マーケティング統括本部長(日本・韓国・ミクロネシア地区担当)。QLD大学で文学修士(日本語と韓国語)ならびに科学修士を取得後、在豪日系企業などで食品輸出、商品取引、マーケティングに従事。2002年~07年にオーストラリア・ワイン事務局日本代表、12年5月までオーストラリア政府観光局日本地区マーケティング本部長を務めた後、現職。

Web: www.holt-blog.com
Twitter: Mr_Riesling
www.facebook.com/Ben.Holt.69
 

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