特別な美味しさを手ごろに Sanpo Japanese Restaurant

フィッシュ・マーケットで仕入れる新鮮な魚介類

ちょっと1杯、と何気なく立ち寄った店で、出される料理やお酒の想像を超えた美味しさとクオリティーに驚かされた経験はないだろうか。鮮度抜群のプリプリした刺身がさり気ない飾り切りで彩られ、揚げ物はカラッと色良く中はふんわり、お酒は料理とマッチした絶妙なラインアップ…、ごく普通の毎日の中でそんなささやかな感動を体験したい人のための、穴場のような日本食レストラン「Sanpo」が今夏、シドニーのグリーン・スクエアにオープンした。その味と手軽さを両立した同店の魅力をオーナー・シェフ、Noriさんに伺った。

渡豪した20歳のころから厨房に
立ち続けている店主のNoriさん

自分が美味しいと思うものだけを

「Sanpo Japanese Restaurant」を開いたオーナーのNoriさんは、サーキュラ・キーの有名ファイン・ダイニング「YUKIS」で料理長を務めた経験を持つ。オペラハウスを臨むロケーションの、ローカルにも人気のジャパニーズ・レストラン、と言えば知っている人は少なくないだろう。魚を使ったメニューも華やかなYUKISで7年間のキャリアを持つとあり、Noriさんはオーストラリアでの魚介の選び方・扱いを熟知している。

「日本とオーストラリアの魚では、使うナイフも違います。食べ方も、キング・フィッシュやサーモンなどの大きな魚は新しすぎると硬いので日本では必要に応じて熟成させますが、こちらではとにかく新鮮なものが好まれる。また、日本人は魚の身に血合いがついた状態で美味しくいただきますが、オーストラリアでは嫌がる人が多いという傾向もあります。最近は日本食ブームもあるので一概には言えませんが、これらを把握した上で、『自分が本当に美味しいと思うものをお客さんに美味しく食べてもらう』ということを『Sanpo』ではやっています」。そう話すNoriさんは、現在もシーフードの仕入れは毎回自らフィッシュ・マーケットへ足を運んで行っているのだとか。ローカルの味覚や習慣に迎合するのでなく、経験や感覚に素直に従ってメニューを開発し、素材を調達し、調理する。そのこだわりの味はここでしか味わえない。

散歩ついでに、というオープンな店

これまで日本とオーストラリアでホテルやファイン・ダイニング系の厨房に長く立ってきたNoriさんが、「今度は着飾ったものではなく、いつでも飲みに来られる居酒屋のような店を」と新たな挑戦として始めたSanpo。高級店で培った味とクオリティーをデイリー価格で提供する、美味しいもの好きにとってはまさに理想のお店だ。過度に装飾的でなく、味の奥深さを際立たせるシンプルなサーブ方法もその手ごろな価格の理由なのだとか。「酔って気が大きくなってお金を使ったときに、それでも後悔させない満足感のあるお店が好きなんです」。

プレミアム・モルツの生ビールが飲める、というのも魅力の1つ。ほかにも、その日お薦め3種の日本酒テイスティング・セットや、梅酒・紅南高、焼酎、ウイスキー、カクテルなどのお酒がそろう上に値段も5ドルからと良心的。現在ワインのBYOはノー・チャージというのも嬉しい。

素材と品質にこだわったメニュー展開だけでなく、料理を引き立てる器の1つひとつや、色とりどりの切子グラス、徳利の美しさも目を引く。日本で、自身の目で見て手で触れて選んだものばかりだと言う。「感覚的に、これが良いなというものを選んでいるだけ」とNoriさんは笑うが、美味しさを五感で感じ取ってもらうことへの静かな情熱と配慮は、そんなところからも窺い知れる。

しかし食通好みの敷居の高い店かと言うとそんなきらいは少しもなく、むしろ誰でも気軽に立ち寄れるオープンな雰囲気と、何も考えずに美味しさと居心地の良さに身を任せてしまえるのがSanpoの特長かもしれない。最寄りのグリーン・スクエア駅から徒歩10分、シティからバスで15分程度と距離的にも身近なお店だ。

「近くに住む人がワイン片手にふらっと食事をしに来ることも。昼休みや仕事帰りに来てくれるオージーも多いですし、家族連れも大歓迎です」と子ども用のハイ・チェアの用意も(要予約)。美味しいものをすべての人に気軽に、というコンセプトで、ランチ・タイムも10ドル〜と幅広く提供している。なお、デザート作りも得意なオーナーの十八番という抹茶ティラミス($8)はランチでもオーダー可能とのことなので、ぜひ味わってみたい。


Eggplant Stake with Japanese Miso Sause($10)は、創作味噌田楽とでも言うべき、真似できないクリーミーな味わい。3時間かけて作るという特製味噌とのハーモニーでお酒が進む

刺身と寿司の盛り合わせ。人数と予算を伝えれば、新鮮で食べごろなネタを選んでお薦めのひと皿を作ってくれる。目にも美しく、辛口の水神(岩手)など日本酒や焼酎で酔いしれたい

珍しい淡色の切子の徳利でお酒が美味しく進みそう。日本酒以外にも焼酎やウイスキー、梅酒、スパークリング・ゼリー酒、さらにプレミアム・モルツの生ビールもそろえているのでぜひオーダーしたい

締めにWagyu Beef “Shabu Shabu” Ramen Noodle($28)は外せない。3日煮込んだとんこつスープで薄切り牛肉をしゃぶしゃぶにしてからラーメンを。目の前で温めるスープの香り立つ湯気と、後を引くうまさはラーメン専門店をしのぐほど

Tasting Sake($9)は日本酒をお任せで3種類飲める嬉しいセット。どんな料理にでも合うといち押しの吉乃川のほか、獺祭(だっさい)、美少年などラインアップは幅広い。もちろん単品でのオーダー可

ホタテ+海老ペーストのフリットを、トマト風味たっぷりのラタトゥイユと合わせ、レモンをギュッと絞っていただくScallop and Prown mousse Tempura($18)は、ビールにもぴったり。食感の組み合わせの妙を楽しみたいひと皿

Sanpo Japanese Restaurant

■住所:Shop 304, 5-9 Rothschild Ave., Rosebery ■アクセス:バス343でRothschild Ave. Near Epsom Rd.下車すぐ。またはGreen Square駅から徒歩10分 ■Tel: (02)8541-5867 ■Web: sanpo-restaurant.com ■営業時間:ランチ火〜金(11:30AM〜2:30PM)、ディナー火〜日(5:30PM〜9PM)、月休

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