幸せワイン・ガイド@オーストラリア「プロセッコ(グレラ)」

ワインの産地、ブドウ品種名などの表記は、オーストラリア連邦政府のワイン振興団体であるワインオーストラリアの基準に合わせています。

今月の品種:プロセッコ(グレラ)

いよいよ暑くなり、爽やかなスパークリング・ワインがおいしい季節がやってきました。今月は、この季節にぴったりのイタリア生まれの白いスパークリング・ワイン「プロセッコ(Prosecco)」をご紹介します。

肩肘張らずに楽しめるプロセッコ

プロセッコの特徴は、ふんわりとして芳醇な、花や果物の香りです。基本的に辛口ですが、ほんのりと感じられる程良い甘味があり、泡はしっかりと元気よく立ち上ります。メロンやリンゴの蜜、白桃などの肉厚なフルーツの香りや味わいとともに、花の蜜のような優しい甘みがあります。お値段も、シャンパーニュなどに比べるとずっとお手軽で、肩肘を張らずに日常的に気軽に楽しめるワインです。

カジュアルに楽しめるプロセッコは女子会のウェルカム・ドリンクにもぴったり
カジュアルに楽しめるプロセッコは女子会のウェルカム・ドリンクにもぴったり

カジュアルなイタリアンに行けば、たいていのお店にはグラス・ワインの1つとしてプロセッコがワイン・リストに載っています。アペリティフとしてオリーブやチーズと一緒に、時にはベリー系フルーツやエディブル・フラワーを浮かべて華やかに演出を。パーティーや女子会の可愛いウェルカム・ドリンクになります。気軽に飲めるプロセッコだからこそできる演出です。

同じイタリア系のスパークリング・ワインに、モスカートがあります。甘口で低アルコール、マスカットの香りが爽やかなモスカートは、若い方や初心者には特に人気のワインです。プロセッコはモスカートよりずっと辛口でスッキリしていますが、十分フルーティーで飲みやすいワインです。モスカートからワインを飲み始めて、「そろそろ違うワインも飲んでみたいな。でも、あんまり辛口すぎるものはまだ……」という方にもお薦めです。

名産地はビクトリア州キング・ヴァレー

元々「プロセッコ」とは、「白ブドウの1種」であり、かつ「イタリアの北東部のヴェネト地方で、プロセッコ・ブドウから作られるスパークリング・ワイン」でした。しかし、最近はイタリアに限らずオーストラリアやニュージーランド、ブラジルなどの地域でもプロセッコ品種を使ったスパークリング・ワインが生産されています。オーストラリアでは、ビクトリア州のキング・ヴァレーでイタリア系移民のワイナリーである「ダル・ゾット(Dal Zotto)」が、初めてプロセッコを生産しました。現在プロセッコは、キング・ヴァレーを代表するスパークリング・ワインとなっています。

イタリアではグレラと改名

そんな中イタリアでは、2009年からブドウ品種の名前が「プロセッコ」から別名「グレラ」に変更になり、ブドウとワインの名前を完全に区別する形となりました。しかし、オーストラリアでは、今も「プロセッコ」という品種名が使われています。一度EUからオーストラリアに対し、生産地呼称制度の保護を求めてプロセッコという名称の使用停止の申し立てがありましたが、結局取り下げられました。

ピュアな果実味を閉じ込めるタンク方式

スパークリング・ワインの製法にはいくつかあり、シャンパーニュなどが作られる「伝統方式」では、「瓶内2次発酵」という製法によって、ワインを詰めた瓶1本1本に酵母、糖を加えて密封することで瓶の中で2次発酵を起こし、炭酸ガスを発生させています。手間とコストがかかるだけに、ワインにはブリオッシュやヘーゼルナッツなどの奥行きのある複雑な味わいが生まれます。

一方で、プロセッコは密封した大型ステンレス・タンクで一度に二次発酵を起こす「タンク方式(別名:シャルマ方式)」で作られています。この方法では、一度に安く大量に生産できるという利点がある他、無機質なタンクで作ることによりブドウ本来のピュアな果実味を生かすことができます。

これからの季節、晴れた日の午後飲みにもぴったりのプロセッコ、ぜひお試しください。

パーティーやランチにもお勧めのプロセッコ

1:オーストラリアのプロセッコのパイオニア

Dal Zotto Pucino Prosecco NV/$20
スモーク・サーモン、プロシュートと
Web: www.dalzotto.com.au

2:可愛いパッケージが女子会向け

Pizzini Prosecco 2016 King Valley/$21.50
エディブル・フラワーやベリーで華やかに演出を
Web: www.pizzini.com.au

3:食事ともしっかり合わせられる辛口

Redbank Prosecco 2015/$20
フェタ・チーズ、カラマタ・オリーブ、ガーリック・トーストと
Web: www.redbankwines.com


<著者プロフィル>
フロスト結子
◎日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diploma in Wine & Spiritsを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でカテゴリー・スーパーバイザーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかくおいしそうに書く」がモットー。Web: auswines.blog.jp

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