【特集】新生活の疲れ・ストレス、アロマセラピーで解消!

新生活の疲れ、ストレス アロマセラピーで解消!

この時期、日本で学校卒業や勤め先での異動を経て、オーストラリアで新生活をスタートさせた人も多いのではないだろうか。慣れない暮らしや仕事に向き合うと、最初は疲れやストレスを溜めてしまいがち。本特集ではそんな心身の不調を解消すべく、自然療法の盛んなオーストラリアで「アロマセラピー」を生活に取り入れる方法を、シドニー在住のアロマセラピスト相澤正弘さんの協力を得てまとめた。アロマセラピーの効果や精油の特徴などを知り、、ローズマリー、ペパーミント、オレガノ、タイム、シナモン日々の暮らしに役立てよう。


取材協力:相澤正弘
プロフィル◎ IFA、IAAMA、ATMS、DIP AROMA、WOAADIRECTOR、AYURVEDA AROMATEHRAPY CERT Ⅳ、REMEDIAL MASSAGE CERT Ⅳ保持。マーヴォ・アロマ・スクール(Web: www.marvo-aromatherapy.com)の運営、オーガニック・オイル・ブランド「Marvo & Co.」(Web: marvoco.com)などを手掛ける傍ら、アロマセラピーを広めるべく日々活動中。本紙で連載中のコラム「アロマで快適生活」(Web: nichigopress.jp/category/healthcare/aroma_life)著者。

アロマセラピーとは?

アロマセラピーは、草花や樹木などさまざまな植物に含まれる成分を使い、人間のさまざまな不調を緩和・改善させていく自然療法の1つ。また、不快な臭いなどへの消臭効果もあることから、自然素材で生活を快適にすることができる。

オーストラリアは、アロマセラピーに使う植物の中でも特にティー・ツリーとユーカリの産地として有名で、その他にラベンダー、ペパーミント、サンダル・ウッドなども産出している。また、世界的にも有名なアロマセラピストが、植物から抽出した精油の研究や症例などを熱心に行っていることでも知られる。

精油(エッセンシャル・オイル)を選ぶ

アロマセラピーには精油を使うが、精油は雑貨扱いとして販売しているメーカーや店舗が多いため、品質の差が大きいのが現状だ。防腐剤や人工香料などを加えているものや、人工香料だけを使用して作られた精油も店頭で見かける。これらは同じ「精油」や「アロマ・オイル」の名前で売られていても、中身が異なるため価格に違いが出ることになる。オーガニックで100パーセント自然素材で作られたものは大量生産が難しいため高値になり、人工香料などの化学薬品を使用しているものは安い傾向がある。また、植物ごとに各精油の価格が異なるのは、その植物に含まれている精油成分の量の違いによる。

当記事で紹介するアロマセラピーで使う精油は、植物に含まれている成分を加工することなくそのまま瓶に詰めた100パーセント・ナチュラルなものであることが前提となる。また、オーガニック認定を受けた精油であることなども、人体への影響を考えた上で重要な点だ。

筋肉や臓器、神経の働きを助ける

オーストラリアに多いユーカリはアロマセラピーの精油に使われることも
オーストラリアに多いユーカリはアロマセラピーの精油に使われることも

アロマセラピーというと一般的にはリラックスやリフレッシュを目的に使用する人が多いが、それだけではなく、筋肉や呼吸器、消化器など体の働きを整える効果がある。精油は、その成分が肌を通して浸透することや、香りが脳の神経系に伝わって作用することで、人間が本来持っている治癒力を刺激し、心身の健康を維持するという働きをする。更に、ほとんどの精油には殺菌作用があるので、空気、身の回りの物、肌などの衛生管理として使用することもできる。

自然素材を用いるアロマセラピーは、一般製品に使用されている化学薬品などを体に入れたくない人や、薬などを飲むことを避けたい人にお勧めだ。また、常にストレスを抱えていたり、疲労感が抜けない人などにも非常に有効と言える。

こんな時、アロマセラピーではどう対処する?

筋肉、消化器官、神経などに作用して状態を改善してくれる精油の種類とその使い方を紹介。精油にはそれぞれ違った香りがあるので、実際にかいでみてその日に心地良いと感じられる精油を使用することも大切だ。不調が続く時は、自分に合う効能と香りの精油でアロマセラピーを試してみよう。

食欲が減退/過食気味

新しい環境下では緊張やストレスから胃腸の不調を感じたり、食欲が無くなる、または食べ過ぎになってしまうこともある。食欲減退の状態が続く時は、ローズマリー、ペパーミント、オレガノ、タイム、シナモンなどの精油の香りの成分を吸入すると効果的。ディフューザーなどで拡散させたり、コットンに精油を染み込ませて香りをかぐなどする。

これらの精油には副交感神経を優位にさせ唾液を分泌させるなどの働きがあり、消化機能を高めてくれる。即効性を求めるというより、日常的に神経系に働きかけるために使用するのが良い。

過食傾向が気になる時は、グレープフルーツ、レモン、ライムなどの精油を使用。これらも香りの成分を吸入することで、交感神経が優位になり食欲が落ち着くので食前に香りをかいでみよう。食欲が無くなるわけではなく、食べたものをしっかり消化・吸収するための分泌液が出やすくなり、結果として体は満たされていることを実感できるようになるという仕組みだ。

慢性的な肩こり、偏頭痛

職場や学校などで緊張が続いたり同じ姿勢を長時間続けていたりすると、肩こりや頭痛などが起きやすくなる。痛みが一時的ですぐ治まればあまり心配は無いが、何日にもわたって症状が続く時には的確な対処が必要だ。

肩こりや頭痛に効く精油は、香り成分ではなく肌から吸収される成分に効果がある。鎮痛効果のあるペパーミントやユーカリ、デトックスを促す作用のあるジュニパー・ベリーなどの精油がお薦め。ラベンダーも穏やかな鎮静効果があり、いずれの精油もクリームやマッサージ・オイルに混ぜて肌から浸透させて使用する。

生理不順、PMS

環境の変化の影響を受けやすい女性の体。生活や仕事の場が変わったことで月経のペースが乱れたり、PMS(月経前症候群)によるイライラや不安感、生理痛などが悪化することもある。

生理不順が続く場合は、女性ホルモンのバランスを調えるために日頃からケアすることを心掛けたい。クラリ・セージの精油成分は、体内でエストロゲン(女性ホルモンの1種)と似た働きをするので婦人科系の悩みによく用いられる。マッサージ・クリームを作って下腹部のマッサージに使ったり、足浴の際に精油を滴下するなどして日常的に皮膚から精油成分が浸透するようにする。生理痛が出ている時に使用すると改善も期待できる。

他にも、ゼラニウムやイラン・イランはホルモン分泌を刺激するので、ホルモン・バランスが崩れている人は日頃から使用したい。肌から浸透する成分に効果がある。

また、ベルガモットやラベンダーなど鎮静作用のある精油を使えば、生理前の情緒不安定な状態にも効果的。香りが神経に働きかけることで症状改善に役立つので、アロマ・ペンダントなどに精油を滴下して身に着けると良いだろう。

婦人科系の肉体的トラブルの場合は肌から、神経系のトラブルの場合は香りを吸入して脳にアプローチするというように覚えておこう。

気分の落ち込み、不安感

新天地での暮らしの中で、ふとした時に孤独感や不安にさいなまれたり、気持ちが落ち込んだりすることもある。そんな時はネガティブな気持ちにとらわれすぎないように、リフレッシュ系の香りを持つレモン、ローズマリー、ペパーミント、グレープフルーツなどの精油を気持ちの改善に役立てよう。これらの精油は即効性があるため、気分の落ち込みや不安を感じた「その時」に吸入することがポイント。さわやかな香りのイメージ通りの効能で気分を晴れやかに明るくしてくれるので、小型のスプレーやインフェラー(吸入器)などに入れて携帯し、必要な時にいつでも取り出して使えるようにしておきたい。

寝付きにくい、眠りが浅い

現代人に多い睡眠の悩み。ベッドに入ってもなかなか寝付くことができなかったり、眠っても途中で目が覚めてしまう、眠りが浅くしっかり寝た気がしない、といった状態が続くと昼間も集中力が続かず疲れやすくなる。不眠の原因はストレスの他にもパソコンやスマートフォンのようなデジタル機器の過剰使用などが挙げられる。これらを避けることはなかなか難しいかもしれない。

ラベンダー、ローマン・カモミール、マンダリンなどの精油には睡眠の質を改善する効果がある。副交換神経を優位にし、神経の沈静化、そして誘眠の作用が期待できる。香りを吸入するだけでなく、肌から吸収しても効果的なので入浴や足浴の際にお湯に数滴混ぜたり、マッサージ・オイルに混ぜて使うのも良いだろう。ただし、副交換神経を優位にする働きがあるということは逆に集中力が必要なシーンには不向きなので、運転や勉強の際は使用を避けること。

※ここで紹介した精油は2~3種類をブレンドして使用すると香りのバリエーションも楽しめ、効果も期待できる。原液は基本的に直接肌には付けず、基材となるクリームやキャリア・オイル(ホホバ・オイルやスイート・アーモンド・オイルなど)に混ぜて使用する。使ってみて合わないと感じる精油は使用を中止し、また妊娠中などはアロマセラピストに相談して使用するのが望ましい。

代表的な精油(エッセンシャル・オイル)

植物の成分がぎゅっと凝縮された精油は、アロマセラピーに欠かせないものだが、容器に書かれた名前だけでは、どんな香りや効能か分かりにくい。数ある精油の中から本特集に登場した役立つ5種類を紹介。


ラベンダー

オーストラリアではタスマニア産が有名なラベンダー。甘すぎないフローラル系の香りはリラックス効果があり、安眠のためのアロマとしてもよく使われる。肌に直接付けても安全で、鎮痛作用(頭痛、筋肉痛、生理痛など)、抗炎症作用(軽いやけど、ニキビ痕など)がある。薬局でも精油が売られている。


ペパーミント

ハーブ・ティーでもなじみのあるペパーミントは、すっきりした香りが集中力アップなどに効く。多くの効能があり、鎮痛作用(頭痛、筋肉痛、生理痛など)の他、便秘や消化不良、胃痛、二日酔いの吐き気など消化器系への作用も。肌への刺激が強いでの直接の塗布は避けよう。植物は虫や病気に強く栽培しやすい。


ゼラニウム

観賞用の花としても人気のゼラニウム。精油はグリーン・フローラル系の香りで、自律神経のバランスをとり情緒不安定に効果的。精油成分はホルモン分泌の調整作用や、利尿作用もある。肌の皮脂バランスを整える効果もあるが、直接ではなくキャリア・オイルに混ぜて使用するのが理想的。妊娠中は使用を控えよう。


レモン

食材としても身近なレモンの強い柑橘系の香りは、集中力・記憶力アップに役立つ。精油成分は消化促進や殺菌、血行促進などの作用がある。室内の空気の清浄化にもぴったり。光毒性(肌に付いた状態で紫外線を浴びるとダメージを与える)があるため、肌へ使用する時は日光を避けるようにしよう。


ジュニパー・ベリー

ウッディな香りで、リフレッシュや集中力アップに効く。体への作用としては新陳代謝アップ、余分な水分や老廃物の排出などが挙げられる。肌の殺菌効果や防臭効果もあるが、高濃度では使用せずキャリア・オイルに混ぜて使う。妊娠中は使用を控えよう。ちなみに、ジュニパー・ベリーはジンの香り付けにも使用されている。

神経系へのアロマセラピーの「効果」を計測

アロマセラピーの「香り」の効果は、感覚的には理解できても目には見えにくい。そこで、医療機関でも使用される測定器を使い、精油の使用前・使用後の自律神経の働きをチェックしてみた。


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毛細血管のヘモグロビンの量の変化を調べることができる、自律神経バランス測定器。主に医療機関で使われている機器で、心臓の働きの状態を細かくチェックできる。心臓と神経は同じように反応するので、これで自律神経(交感神経と副交感神経)の変化を調べることができる。


2

測定器のセンサーを被験者の指先に付け、まずは平常時の自律神経の状態をチェックする。計測したのは日中なので、活動時や昼間の時間帯に優位になる交感神経が活発化しているのが一般的だ。逆に、活動時間帯に交感神経の働きが極度に低い場合は、疲労の蓄積などが疑われる。


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②での2分間の計測後、今度は「心地良い」と感じる精油の香りをかぎながら2分間測定。被験者が選んだのはスイート・オレンジとピンク・グレープフルーツ。これらを数滴コットンに染み込ませ、ゆっくりと深い呼吸で香り成分を体内に取り入れ、自律神経(交感神経・副交感神経)への影響を見る。


4

②(上)と③(下)の計測結果。精油の使用後、心拍リズムの上下値の幅が大きくなり、体内循環がアップした状態に。交感神経の働きが高まり、自律神経活動がより活発化したことも数値に表れた。ストレスへの抵抗力を表す数値も上昇。なお、精油の使用を2週間続けると変化がより顕著になるそうだ。

アロマセラピストお薦めアイテム

精油の原液を持っていなくても手軽にアロマセラピーを始めたい人や、精油をより効果的に使いこなしたい人のための便利なアイテムを紹介。写真提供:Marvo & Co(Web: marvoco.com

アロマ・ボディー・スプレー(30ml/$10.45、100ml/$19.80)
アロマ・ボディー・スプレー(30ml/$10.45、100ml/$19.80)

ボディー・スプレー

精油を使って作られたスプレーは、アロマセラピーの初めの1歩にもぴったりの手軽さ。オーガニック認定を受けているボディー・スプレーは直接肌に吹きかけても安心で、脇や足の裏などへ部分使いや体全体の他、布製品の除菌もOK。

アロマ・ディフューザー($59)
アロマ・ディフューザー($59)

ディフューザー

リビングや寝室などでアロマを焚くための器具。好みの精油約5滴を垂らしてスイッチを入れれば、室内に香りが拡散される。火を使うアロマ・ポットなどより気軽に、部屋の殺菌やルーム・フレグランスとして香りを柔らかく楽しみたい人に。

アロマ・ガラス・ペンダント(ピンク・ハート、パープル・ドロップ/各$38)
アロマ・ガラス・ペンダント(ピンク・ハート、パープル・ドロップ/各$38)

アロマ・ペンダント

胸元からアロマが程良く香るガラス製のペンダント。ペンダント・トップの空洞部分に専用スポイトで2滴程度の精油を入れておくと、ダイレクトに香り成分が鼻から脳に入ることで自律神経を整え、ストレスを緩和してくれる。

♦精油やアロマセラピー効果のあるスキンケア・アイテムなどを扱う「Marvo & Co」から、アロマ・ガラス・ペンダントのピンク・ハートとパープル・ドロップ各1点を、リフレッシュ・ブレンドの精油とセットで日豪プレス読者2名様にプレゼント。シドニーのガラス工房「マイマイグラス」とコラボレーションで作られた繊細な美しさで、毎日使いたくなりそう。応募はウェブサイト(Web: nichigopress.jp/campaign)から。応募締切:4月30日(日)

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