ドライ・アイを放置したらどうなりますか?

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Q 目がいつもチカチカとして不快感があるので、眼科でチェックしてもらったらドライ・アイと言われました。これを放置しておいたらどのような問題が起こるのでしょうか。また、どのように対処したらよいのでしょうか。
(42歳主婦=女性)

A 目の乾燥から起こる症状はいくつかあります。眼科を訪れる原因として最も多い疾患です。涙の生産が低下しているか、涙の蒸発が多すぎることによって目の保護粘膜がとぎれてしまい、眼球の表面に炎症が起こる、角膜に損傷をきたすこともあります。

目の中に何か異物が入っている感触 目のかすみ
痛み 羞明(しゅうめい)(まぶしさ)
不快感 赤目
目が乾いている感じ 涙目
かゆみ 目の疲労感
灼熱感、チクチクとする感触 眼瞼炎(がんけんえん)(ただれ目)
目が重い感じ(ショーグレン症候群の場合、口の渇きも起こります) 頻繁なまばたき

原因
 涙は涙腺から出る水性液、まぶたにあるマイボーム腺から出る油、それに結膜の杯細胞から出る粘液から成り立っています。男性ホルモン・レベル、角膜の知覚によって起こる神経の刺激、それにまぶたの機能によってこの成分のバランスが保たれ、正常な涙が作られます。この相互作用が何かの理由で崩れると涙によって作られる保護粘膜が不安定になります。結果として炎症が起こり、目の表面の細胞に損傷が起こります。 タバコの煙が多い環境にいると目も乾燥します。兎眼(とがん)(睡眠時にまぶたを完全に閉じられない状態)もドライアイを起こします。

ドライ・アイの診断
 目に蛍光染色液を入れて角膜に傷ができているかを見ることもあります。ドライ・アイの場合、典型的な角膜潰瘍のパターンが見られますが、軽症ならば角膜に異常は見られません。

検査
 必要ならば眼科でシルマー・テスト(Schirmer’s test)(濾紙小片の一端を下まぶた内の結膜嚢内(けつまくのうない)に入れ、5分間で濾紙が何ミリ濡れるかによって涙の生産量を測定する検査)を受けることもできます。
 ショーグレン症候群(Sjogren’s syndrome、自己免疫疾患)が疑われる場合は、血液検査でリウマチ因子や抗核抗体の数値を調べる必要があります。

治療
 まず一般的な日常生活での注意が必要です。水分を充分に取るようにし、目の乾燥(扇風機に目が当たらないようにするなど)を防ぎ、涙の乾燥を促進するような暑すぎる環境をなるべく避けるなどの工夫をしてみるとよいでしょう。喫煙者なら、禁煙することが大切です。軽症ならば市販の人工涙液を試してみてください。ただし、ドライ・アイは慢性疾患なので、このような薬は毎日、最低3〜4回は点眼する必要があります。代表的なものには Systane Eye Drops、Refresh Tears などといった薬があります。また、夜間には点眼液よりも持続効果の長いジェルを使用してみてください(Poly Gel、Poly Visc Eye Ointmentなど)。


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鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・ファミリー・クリニック

 

メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて29年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる

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