髄膜炎の予防接種の種類について教えてください

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Q

髄膜炎(ずいまくえん)の予防接種には幾つかの種類があると聞きました。C型は無料で、B型は有料で受けられることは知っていました。しかし、それ以外の予防接種があることを最近知り、他にどのような髄膜炎の予防接種があるのか教えて欲しいです。(30歳主婦=女性)

A

髄膜炎を起こすバクテリアは13種類ありますが、そのうち6種類が最も頻繁に病気を起こす菌種です。2000年初期にはC型が最もよく引き起こすタイプの1つでしたが03年にC型髄膜炎の予防接種がオーストラリアの子どもの予防接種スケジュールに含まれるようになり、02~16年までにC型髄膜炎の発症例が99パーセント減少しました。そして、02~13年はB型髄膜炎が最もよく起こるタイプとなりましたが、その後、16年のオーストラリアではW型が最も頻繁に起こる髄膜炎となっています。16年のW型髄膜炎の症例の約半数は45歳以上の大人に起こりました。しかし、イギリスや南米でも始めはこの年齢層から起こりましたが、すぐに5歳未満幼児、そして15~24歳の年齢層に広がりました。よってオーストラリアの各州では高校生(Year10~12)を対象としてW型を含む混合無料ワクチンを学校で接種しています。

この年齢層をターゲットとした理由は2点あります。第1にこの年齢層においての発症率が高いということと、第2に鼻咽頭に髄膜炎の菌を保菌している比率がこの年齢層で高いからです。現在、オーストラリア政府が無料で提供している髄膜炎ワクチンは1歳児のC型と高校生のACWY混合ワクチンです。

混合型髄膜炎接種(ACWY)

W型の単独ワクチンはなく、ACWYの混合ワクチンになります。オーストラリアでは高校生を対象として学校で無料接種を行っています。B型髄膜炎と同様、免疫補(Complement)が不足していたり、無脾臓の人、HIV感染者、幹細胞移植者など抵抗力の弱い人にもB型髄膜炎接種は有料で勧められています。また、小児での発症率も比較的高いことから有料で勧められています。

ACWYの混合ワクチンには3種類あり、年齢によってどのワクチンが認可されているかは下記のように異なります。

年齢層 ブランド 初期接種回数 接種間隔 ブースターの時期
2~6カ月 Menveo(~110ドル) 3 8週間 1~1歳半、その3年後、そしてその後5年ごと
7~11カ月 Menveo 2 12週間 初期接種から3年後、そしてその後5年ごと
12~23カ月 Nimenrix(~100ドル) 1
2歳以降 Menactra(~60ドル)、Menveo 1

どのブランドのワクチンも安全なワクチンです。最も起こりやすい副作用は注射部の赤み、腫れ、発熱、イライラ感、嗜眠状態、食欲減退などです。それぞれ、料金が多少異なります。

オーストラリア政府は1歳児に無料で提供していたC型髄膜炎ワクチンをACWYワクチンに変更するということを発表しました(2018年2月)。また、ティーンエイジャーにも無料でACWYワクチンを提供することも検討中のようです。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・メディカル・プラクティス

メルボルン大学医学部卒業。Northbridge Family Clinicを昨年閉院し、現在Northbridge Medical Practiceで診療中

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