取れてしまった銀歯、日本に帰るまで放っておいても大丈夫?

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Q

以前治療していた銀歯が取れてしまいました。今は痛みもなく、取れてしまった銀歯を自分ではめ込むこともできます。もうすぐ日本に帰国するので、このままにしておいても問題ないでしょうか。(39歳会社員=男性)

A

古くても新しくても詰め物が緩んだり、外れてしまったために来診される人たちをよく見受けます。銀歯が外れてしまう、そのほとんどの理由が治療していた銀歯の下に新しく二次虫歯ができているからなのです。

全ての詰め物の寿命は一生ではありません。一度虫歯になり、詰め物を施術した歯は、その詰め物の周りからまた新たに虫歯になる可能性が非常に高いです。このような虫歯を二次虫歯と呼びます。特に、最低週3~4回のデンタル・フロス(糸楊枝など)を使用していない人は、二次虫歯ができやすい傾向にあります。しっかりと6カ月ごとに歯科検診を受診していたとしても、銀歯はレントゲンを遮断してしまうため、銀歯の下にできる二次虫歯を見つけることはとても困難となります。更に、神経治療などを施術した後の歯に二次虫歯ができても、神経のない歯は自覚症状が出ないために見過ごされてしまうことがよくあります。

私が日本に滞在していた時に現地の歯科医から話を聞いたところ、銀歯が緩んだり取れてしまったとしても、そのまま放置したことによって神経を傷付け、神経治療が必要になったり歯を失ってしまったりした人がたくさんいると耳にしました。特に、慣れない環境で治療を受けることを心配してしまう海外出張の人たちなどによく見られるそうです。

一度詰め物が緩んだり外れてしまうと、その詰め物を自分で一時的に戻せたとしても、虫歯が広がっていくスピードが速まる恐れがあります。放置期間がたったの数週間や1カ月だとしても、その状態を放置することにより神経を損傷させてしまいます。すぐに詰め物を付け直し何とかなったと思っても、実は必要のない神経治療を施術しなければならないといった可能性が高まっていることがあります。

その他、詰め物が取れた際に非常に強い痛みを感じていたのに、数日後その痛みが消えたため、そのまま放置してしまう人もいます。このような症状は、虫歯の細菌が神経を侵す時に痛みを感じていても、神経が死んでしまった後は痛みも何も感じなくなってしまうために起こってしまうものです。どんな小さなことでも歯や歯茎に異常を感じたり、詰め物が緩んだり取れてしまった時には事が深刻になる前に、一刻も早く歯科医院を訪れて、診療してもらうことをお勧めします。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


ノックス・キム院長
シティ・ワールドタワー歯科(Dental Clinic @ World Tower)

オーストラリア・シドニー大学歯科学部を卒業。キャンベラやストラスフィールドで勤務した後、03年にワールドタワー・レーザー歯科を開院(東京・大阪・名古屋・千葉・京都・アメリカに提携クリニックあり、医療法人スワン会グループ)。一般歯科治療のほかにも多くの歯科関連資格を保持。インビザライン特別推薦ドクター。東京臨床協会(SJCD)、アメリカ審美歯科学会会員。シドニー大学臨床講師

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