フィジオセラピストに聞こう!/ひざの内側の痛み

”フィジオセラピストに聞こう!体の痛み改善法”

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!


第55回 ひざの内側の痛み

ひざの痛みは中高年を中心に最も多い症状の1つです。天気の悪い日は痛みがひどくなるが、関節炎だからしょうがないと諦めていませんか?

幼少期から成長期にかけたくさんスポーツに取り組んできた人の場合は、長期間にわたりひざ関節に負担をかけてきたため、軟骨や半月板の摩耗が特に進行しています。プロのアスリートに多く見られるのは、関節のすり減りによる変形性関節症を20〜30代で発症しているケースです。学校の部活動などでスポーツをしていた場合、30〜40代で半月板が損傷し、階段を登る時などにひざの内側に痛みが出るようになるケースが多いようです。

●3つの原因

ひざの内側の痛みには3つの主な原因が考えられます。

1. 内半月板の損傷
2. ひざ軟骨の損傷
3. 鵞足炎(ガソクエン:ひざ内側の3つ腱の炎症)

1〜3が、1つのみ、または2つ以上重なり痛みを発生させます。

●上記3つが発症する理由

a. サッカー、バスケットボールなど急停止したり、方向転換の多いスポーツをしている、またはしていた
b. 運動不足による脚力低下、特に太もも
c. 股関節が硬くひざが内側を向きやすくなり、結果、ひざに極度の負担をかける

痛みは自分で改善する!

この、毎日を億劫にする痛みの解決方法はいたってシンプルです。下肢を効率良くエクササイズし、ひざにかかるショックを筋肉に吸収・分散させることです。重力が直接ひざにかかるランニングなどよりも、室内自転車やクロス・トレーナーなどを使用して下肢筋力アップに取り組んだり、ひざ・股関節・くるぶしの関節可動域の改善・維持や、ふくらはぎ・ひざ裏のストレッチをフィジオに処方してもらったりすると、より効率的に改善します。

アメリカの研究では、ひざ関節置換術を受ける予定の患者に下肢筋力強化プログラムに参加してもらったところ、多くの参加者の症状が改善し手術の必要がなくなったという結果が出ています。もともと運動不足から下肢筋力が弱り、痛みが出るわけですから、筋力アップすれば改善するのは当然のことですよね。痛みがあるので正しく運動しないとひどくなることもあります。フィジオセラピストの診察、処方した筋力強化の運動を行い、効率良く安全に痛みと決別しましょう。関節炎でも痛みと向き合い、諦めないことが今後の人生の質を高める鍵になります。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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