フィジオセラピストに聞こう!/寒さと痛みの関係

”フィジオセラピストに聞こう!体の痛み改善法”

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!


第58回 寒さと痛みの関係

寒い日が続いていますが、皆さんけがなどなくお過ごしでしょうか。今年は例年よりも早く冬入りした印象ですね。気温が低下し始めると、体のあちこちに痛みを感じるという経験はありませんか?古傷が痛んだり、関節が動きづらかったり、じりじりするような神経痛。夜にはこむら返りまで!どれもこの寒い時期に合わせたかのように発生します。今回は寒さと痛みの関係についてです。

寒さで震える理由

暖かい部屋から急に寒い外に出た時、がくがくと震えた経験はあると思います。これは生命を守るための反射的な反応で、筋肉を強く繰り返し収縮させることで血管を開き、血流を良くして筋肉から熱(エネルギー)を発生させることで体が体温を維持しようとしているのです。寒いからと言ってヒーターの前で丸まっていると、体を動かしていないので必然的に末梢血管が萎縮して、筋肉への血流量が低下します。血流量が下がると筋肉の温度も下がり、更には酸欠状態になり、筋肉が硬くなってしまいます。これにより更に血流は低下し、また筋肉の硬直により末梢神経が圧迫を受けると、指先やつま先に痺れる感覚が出ることもあります。

筋肉量がカギ!

筋肉から発生する熱量は当然、筋肉量に比例します。筋肉量を増やせば発生する熱量も増え、冷えから来る体の不調も改善・予防できます。ダイエットの時に、筋肉量を増やして新陳代謝の活発な体を造ると良いとよく言いますが、それと同じコンセプトなのです。

体を動かすことで筋肉がポンプのように機能するのをうまく利用し、心臓から送り出される酸素を豊富に含んだ血液を体の隅々まで行きわたらせることが重要です。

硬くなった筋肉には「アキレス腱伸ばし」や「背伸び」など、ゆっくりとしたストレッチを15~30秒、2~3セット連続で行うのが効果的。特にふくらはぎの筋肉を鍛える「カーフレイズ」というトレーニングは、隙間時間に簡単にできるので、1回に20~30回をこまめに行い、1日に数セットやるのが理想です。座っている時の「貧乏ゆすり」も実は有効で、最近行われた研究ではデスク・ワーク中に、1日合計1時間以上貧乏ゆすりしていた人は、しなかった人より心臓疾患になる確率が低下したという結果も出ています。

冷えから来る体の痛みを予防・改善するためには、「寒い時期は体を動かす」という意識を常に持つことが大切です。今回紹介した簡単にできるトレーニングやストレッチで、こまめな運動を心がけましょう!


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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