握力で筋力の衰えチェック

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第41回  握力で筋力の衰えチェック

未開封のペット・ボトルのキャップを開けようとしても力が入らなくて苦労する。そんな経験はありませんか?「はい」と答えた人は要注意!限りなく赤信号に近い黄色信号が点灯しています。こういう人は握力低下だけではなく、体全体の筋力低下が進行している可能性があります。

握力は体全体の筋力を反映しているといわれ、握力が低下している人は以下の症状が進行するリスクが高まると、さまざまな国の研究が発表されています。

・骨折
・認知症発症
・歩行障害
・脳卒中

年齢 男性 女性
30〜34 48.00 28.61
35〜39 47.86 29.37
40〜44 47.31 29.47
45〜49 47.12 29.31
50〜54 46.57 28.06
55〜59 45.18 27.10
60〜64 42.67 26.17
65〜69 39.73 24.77
70〜74 37.67 23.75
75〜79 35.07 22.27

日本文部科学省が発表している男女・年代別の握力平均は右記の通りです。

握力測定は、特に高齢者の人の下肢筋力、立位バランス、歩行能力などの全体的な筋力を反映する、簡易で有益な検査項目です。

目安ですが、未開封のペット・ボトルのふたを開けるのに苦労する人は握力が30キロ前後、開封済みのペットボトルのふたを開けるのにも苦労するなら、握力が20キロ未満に落ちていると考えられます。また、体力測定をしたところ、握力が以前よりもかなり落ちてしまったという人も要注意です。

 

~予防しよう、寝たきり生活!~

筋力というと足腰や腕の筋肉に注目する傾向がありますが、手にどの程度力が入るか常日頃から自分でチェックしてみましょう。全身の筋肉量が増えるに従って握力も強くなっていきます。手に持った物をよく落とすなど、握力が低下してきているいる場合、脚力も低下している可能性があり、転んだだけで骨折し、将来寝たきりになる可能性も高くなります。

筋力トレーニングなどを日常生活の一部に取り入れ、体のメンテナンスに本格的に取り組み始めましょう!


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
www.metrophysiotherapy.com.au

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