バランス感覚を鍛えよう!

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第42回  バランス感覚を鍛えよう!

先月の握力チェックに引き続き、今月号はご自分で簡単にできる体力測定の項目を紹介したいと思います。このコラムを読み終わったら、ぜひすぐにでも行ってみてください。

 

片足立ちで転倒リスクをチェック

片足立ちバランステスト
各年齢別片足立ち時間(秒数)

年齢&性別グループ 3度の平均値(秒)
18〜39歳 43.3
40〜49歳 40.3
50〜59歳 37.0
60〜69歳 26.9
70〜79歳 15.0
80〜99歳 6.2

(参考文献:Journal of Geriatric Physical Therapy Vol.30;1:07, pp8-15)

 これは世界的にも広く普及しているテスト法。片足で5秒以上立てない人は片足で5秒以上立てる人に比べると転倒リスクが2倍以上になると発表されています。60歳から片足でバランスを取れる平均時間が急激に短くなることが報告されており、特に60歳以上の人には有効なテストです。

 

やってみよう! 片足立ちバランス・テスト
 ご自宅でされる時は、バランスを崩してもすぐにつかまれるよう、いすの背もたれや壁の近くで行って、ケガのないように注意してください。 

 

1. 両手は腰に当て、片足(どちらでも良い)を浮かします。目は開けたまま行いましょう。
2. 45秒間片足でバランスを保ちます。
3. 反対の足が地面についたり、バランスを崩して手が腰から離れたり、身体が回転してしまった時点で測定は終了です。
4. 3回繰り返し、その平均値と下記の年齢別の平均値と照らし合わせます。

 

 バランス感覚が加齢に伴い、低下してしまう理由は、主に下記の2つのいずれか、もしくは両方が考えられます。

 

1. 下肢(ふくらはぎ、太もも、臀筋)、体幹(コア・マッスル)の筋力低下
2. 下肢の関節(くるぶし、膝、股関節)と1.の筋肉の感覚神経の機能低下

 

 バランス感覚は日々少しずつ衰えていくもの。したがって、日常生活の中で頻繁につまずくなどして、気になるようになるころには、既にかなりバランス感覚が低下していることになります。これを予防するには、まずは自分が平均と比較してどの程度バランス感覚があるのかを把握することが大切です。各年齢別の平均値と自分のパフォーマンスを照らし合わせ、平均値より低ければ、トレーニングを行い、バランス感覚を改善していきましょう。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
www.metrophysiotherapy.com.au

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