知っておきたい若返りのツボ

 

第17回 不老長生(若返り)

東洋医学における、基本的な考え方に「治未病(みびょうを治す)」というものがあります。これは、心身に関わるすべての病気には未病の状態があり、その時期に治せれば病も軽く治りやすいが、それを過ぎてしまうと症状も重くなり治りにくく、時には不治となります。そのために病の兆候を見い出せるよう常に気を付けて日々を過ごせ、ということを中国最古の医学書『黄帝内経』は説いています。

この考え方はヨーロッパでも一般的だったようで、古代ギリシアの医者ヒポクラテスの医学書にも「人は環境−空気、水、場所−との関わりいかんで病を発するものである」と記されています。

この中で、人間はそれを取り巻く生物(動植微生物)と非生物的要因(温湿度、日射、水など)のダイナミズムの中で、常に変動しつつあるが、平衡状態を保つことができるのが健康な状態である、という認識を得ることができます。

確かに物事を分析的に見ることによって、病気の本体部分にアプローチできることは、あまり間違いがないように思います。ただ、その本体部分のみでなく、その周辺にも病を起こす歪みが潜んでいるのであって、そのグレー・ゾーンをどう扱うかによって健康状態も大きく左右されるのではないでしょうか。

伝統医療では、治療術のほかに日常の養生を重視することが非常に多く、それは「病気かどうかちょっと分かりにくいけれども何となく不調な状態=未病」を解消するための方法論なのだと言えます。自分を取り巻く歪んだ相互関係を直していき、正常化することによって本体部分も治病させるのです。

足りないものを外から補うことで、一時的にバランスを保つことは可能ですが長く続けることはできません。むしろ自分の中にある余分なものを削り去ることで、コンパクトな健康バランスを作り上げていくのが現代における養生ではないかと考えています。ここに挙げているツボは、バランス回復のための一例です。皆さんの養生達成のために不調を感じる際には参考にしてください。

天柱:後頭部の筋肉(僧帽筋)と骨の接合部外側、押して痛む所。
大杼:頭を左右に回すと動く骨が頸椎。その最下部と動かない第1胸椎の間が
大椎穴で、その下の第1、2胸椎間の両側1横指半。
腎兪:肋骨下端の線と腰椎の交点から外側2横指。
長強:腹臥位(うつぶせの状態)で、尾骨の先端。
人迎:前頸部。頸動脈の拍動部。
曲骨:下腹部正中、恥骨結合の上際。
三陰交:内踝(うちくるぶし)の上際から3横指の上方。脛骨の後ろ際。
血海:膝蓋骨の内角より3横指上方。

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

 

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