鼻づまり・鼻炎

第29回 鼻づまり・鼻炎

温暖化現象が、ここ20~30年の傾向として定着してきています。本来あった春夏秋冬の季節感は、失われつつあるように見えます。それとともに、季節の植生も変わってきており、例えば春の時期だけであった花粉症も、季節を問わず出現しています。

生命の発生はバクテリアから植物体に進化して、それを利用する動物が生まれ陸上に進出するまで、20億年以上かかりました。その当時の呼吸器は簡単な構造で、口のみで鼻からの呼吸はなかったのです。鼻呼吸が生じたのは、爬虫類の恐竜時代からであり、そのころから季節が大きく変化するようになってきた、と考えられています。

鼻および鼻腔の主な役割は、外気からのゴミや微生物をこして清浄化するとともに、鼻腔内で適度な温度に調整すること、そして匂いを識別することです。そのため、鼻腔は複雑に屈曲した表面積の大きな構造です。また、鼻中隔のように薄い骨と軟骨が合わさっているのも特徴です。鼻腔内には、粘膜に被われた血管が豊富に存在します。

粘膜細胞は粘液を分泌し、繊毛によって付着したゴミを鼻腔外に排出します。とても繊細な構造ですが、外側に出ている鼻はぶつけやすい個所でもあります。ぶつけた経験は誰にでもあると思いますが、それだけで鼻中隔が変形してしまうこともあり、これが鼻づまりの原因になるケースも多く見られます。とある統計によると、出産時の衝撃によって約7パーセントの人に鼻の変形が見られるそうです。

鼻炎の主な原因は、ハウス・ダストや花粉などによるアレルギー性のもの、ウイルスや細菌による感染性のもの、そして自律神経異常によるものなどが挙げられます。いずれにしても症状は、鼻づまり、くしゃみ、頭重・頭痛、鼻汁過多、咽頭痛、咽頭炎、副鼻腔炎など共通するものが多いので、セルフ・ケア指圧としては、原因には左右されずに対応することができます。

順序としては、まず頚部と鼻から比較的遠い所から始め、次第に鼻付近に移行すると良いでしょう。炎症が強いと思われる場合は、日に2~3回に分け朝、昼間と就寝前に行うと症状が治まりやすくなり、気持ちの落ち着きが出てきます。

上星:前頭部正中、髪際を入ること約1横指の凹み。
攅竹:眉毛内端の凹み。強圧すると響いて痛む所。
印堂:眉間の中央。
巨髎(こりょう):鼻翼の傍ら約1横指。瞳の直下、強圧すると響く。
迎香:鼻翼の傍ら0.5横指の凹み。
鼻穿(びせん):鼻莖外側の凹み。攅竹の下方約2横指。強圧すると響く。
風池:後頚部、後頭骨の乳様突起下方、下際の凹み部。
合谷:親指と人差し指を開き、骨の接合部前面。押すと良く響く所。

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

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