東日本大震災5周年・特別インタビュー/石川綾子さん(プロ・バイオリニスト)

東日本大震災5周年・特別企画
プロ・バイオリニスト石川綾子さんインタビュー

3月11~12日にシドニーで行われる東日本大震災復興イベント(詳細はこちらhttp://nichigopress.jp/nichigo_news/monthly_news/120271/)に参加予定のプロ・バイオリニスト石川綾子さん。被災地支援活動を行う石川さんに、チャリティー・コンサートなどにかける思いを伺った。5周年を前に今一度震災の記憶を呼び覚ましていただければと思う。取材・写真=馬場一哉(日豪プレス)


 

石川綾子(プロ・バイオリニスト)
プロフィル_ 日本を活動拠点に世界各地で演奏活動を行い、”Outstanding violinist with a charismatic talent”と賞賛される実力派バイオリニスト。15歳の頃、シドニーに移り住み、その後シドニー大学、シドニー音楽院にトップで合格、メリット・スカラーシップを受賞。同大学の最優等学位に選ばれ首席で卒業。類まれな才能とバイオリニストとしての功績に対し、オーストラリア政府より国際的芸術家だけに与えられる永住権を授与される。さまざまなシーンで活躍する傍ら被災地支援のチャリティー・コンサートなどを行っている。

──石川さんは震災後、被災地支援活動を始められたそうですがどのような思いがあったのですか。

「震災直後に誰もが考えたことかもしれませんが私にできることは何だろうかと考えました。何かせずにはいられない気持ちでした。最初は道ばたに立って募金箱を持って呼びかけなどを行いました」

──最初はそうした地道な活動だったのですね。

「はい。東京駅から渋谷駅、新宿駅までいろいろなところに行きました。そして同時にシドニー在住の兄にもお願いをしてシドニーのセントラル・ステーションでも同時に募金活動をしてもらいました」

──その後、音楽活動を通しての支援に切り替えていったわけですね。

「はい。少し月日が経ってからは音楽家としてできることは何かなと考え、微力ですが少しでも心を癒すことができればと思い、チャリティー・コンサートをやらせていただくようになりました」

──被災地ではさまざまな方と交流をして感じることも多いのではないでしょうか。

「そうですね。最近皆さまが口をそろえて言うのが、どうか忘れないでいてほしいということです。震災当時はあふれんばかりの人々が世界中から来たけど今はものすごく減っています。それを聞いて、改めて震災の時に感じた気持ちを忘れずに人生をかけてサポートすることを続けたいと思ったのです」

──たしかに5年近く経過し、ひと昔前のことのように思っている人が増えているでしょうね。さて、そんな中今回3月11日~12日にシドニーに来ていただけるそうですがどのような思いでいますか。

「日本から離れて遠くオーストラリアでチャリティー活動をさせていただくことで、東北にいる方々に『こんなに遠くにいても私たちは忘れていないよ、あなたは1人じゃないよ』という気持ちを少しでも伝えられればと思っています」

2月、被災児童保養プロジェクトへのメッセージ収録のため在シドニー日本国総領事館を訪問したジュリア・ギラード元首相に、石川綾子さんより宮城県大堀相馬焼の焼き物が手渡された
2月、被災児童保養プロジェクトへのメッセージ収録のため在シドニー日本国総領事館を訪問したジュリア・ギラード元首相に、石川綾子さんより宮城県大堀相馬焼の焼き物が手渡された

──チャリティー・コンサートでは特別なバイオリンを使っているそうですね。

「TSUNAMIバイオリンというものを使わせていただいています(編注:3月11〜12日のイベントでの使用は未定)。津波被害の大きかった地域で唯一流されずに残った『奇跡の一本松』をご存知でしょうか。その木を魂柱に使い、流木で作ったバイオリンなんです。バイオリンは魂が宿る楽器です。TSUNAMIバイオリンが必ず皆様に魂を届けてくれると思っています」

──最後に読者に向けてメッセージを。

「私がオリジナルで作曲した復興支援曲『希望(HOPE)』という曲があるのですが、そのチャリティー・アルバムは収益の全額を復興支援のために寄付させていただいています。その曲が更に被災地の復興支援につながればいいなと思っています。3月11日、もし良かったらぜひ一緒に時間を過ごしていただけましたら嬉しいです」
(2月5日、シドニー総領事公邸で)

「【特別対談】ジュリア・ギラード元首相、東日本大震災5周年」はこちら ▶▶▶

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