伊藤遼哉選手インタビュー/豪州仕込みの未来のサムライ・ブルー


国によって大きく異なるスタイル

世界で学んだ豊富な経験を生かし、日本を代表する選手として活躍!

英語、日本語、ドイツ語が堪能なグローバルな選手であること、またバイエルン・ミュンヘンでの日本人特有の几帳面で誠実な性格が彼のプレーを一段と際立たせたことで、たちまち日本へとそのうわさが広がり、2014年、イタリアで行われたU16日本代表選手としてイタリアに召集された伊藤遼哉選手。日本のサッカー雑誌でも取り上げられ日本のファンを増やすこととなる。シャルケ所属の内田篤人選手のインタビューの際に、ドイツ語の通訳として隣に立っている動画を見た人々の間でも話題となった選手である。今回はその伊藤選手にお話を伺った。(Photo & Text by Moto)

伊藤選手は若干17歳にして既にスポンサー契約をしている。大手スポーツ・ブランドのナイキ、スイスの高級時計MOYA Watch Geneveである。彼の腕に輝くダイヤモンド時計は、元々宝石セッティングを本職としていたモヤ氏が選んだ優れた品質のもの。コロンビア出身でサッカーをこよなく愛し、若い世代の未来ある選手を応援することを惜しまないモヤ氏が、20年のオリンピック候補選手である伊藤選手に白羽の矢を立てたのは、彼の個性にも引かれたからだという。また、伊藤選手はオーストラリアでも、新聞記事で大きく扱われたことがあり、注目を集め始めている。オーストラリアの選手として彼の確保を望むサッカー関係者もいるようだ。

――サッカーを始めたきっかけを教えてください。

日本で幼稚園のサッカー・チームにごく当たり前のように入りました。父もサッカーをしていたのでその影響はありました。最初はセンスがないと言われましたが、年長の時に元日本代表選手の瀬沼正和さんに1対1のトレーニングを受けて変わった気がします。

2011年9月バイエルン・ミュンヘンU14での堂々たるプレイ
2011年9月バイエルン・ミュンヘンU14での堂々たるプレイ

――オーストラリアでのサッカー歴を教えてもらえますか?

7歳の時にローカル・チームのWakehurstに2歳上で入りました。その後、Forest Killarney、Lindfield、Northern Tigersにそれぞれ1歳上で所属していました。10歳の時に入ったMongo Academyのコーチ、元カメルーン代表選手のシリル・ヌドンゴ・ケラーから教わったことが大きくサッカー・スタイルを変えました。パスをつなげていくことをここで学びました。スペイン遠征などにも連れていってもらえる機会もありました。

――数カ国でのサッカー経験の中で気が付いた、それぞれの国の違いについて教えてもらえますか。

オーストラリアではみんな体が大きくて、前に前に蹴るサッカーでした。伸び伸びして楽しかったです。ただ、ロング・パスばかりで当時の自分には合いませんでした。チューリッヒでもやはりみんな体が大きかったのですが、選手の決定力が全然違い、パスをつなげるサッカーでした。パスを回す頭を使うサッカーだと感じました。ドイツは縦ラインのスピードが速くてすごいと思いました。前に行くのがとにかく速いです。日本は横に行くパスが多いです。最初は戸惑いました。

2015年11月FC Köln戦でのアップ風景。シャルケU19 のチームの中で一際目立ついつも笑顔の伊藤選手
2015年11月FC Köln戦でのアップ風景。シャルケU19 のチームの中で一際目立ついつも笑顔の伊藤選手

――日本といえば、14年にU16日本代表に選ばれてイタリア遠征に召集された時はどう感じましたか。

選ばれた時は本当にうれしかったです。小さい頃から日本代表が夢だったので、それが現実となりまさに夢のようでした。参加して日本のサッカーの他国との違いを感じましたが、そこでも多くのことを学べました。自分のスタイルが海外で育ったものだと気付かされましたが、全員が団結して戦うという日本のスタイルにもすぐに慣れました。

――今はデュッセルドルフのインターナショナル・スクールに通っているそうですが、勉強とサッカーの両立はどうですか?

自分で言うのもなんですが、成績は良いです。興味があるのは経済やビジネスです。語学の勉強も好きです。勉強が苦になったことはありません。幸いゲームには興味がありません。

――日ごろ、特に気を付けていることはありますか。

練習後はシャルケのユース選手用のジムで鍛えるようにしています。体幹トレーニングは6年前からずっと続けています。食べ物にも気を付けるようにしています。好きな食べ物は日本食です。

2015年11月デュッセルドルフで初顔合わせ後、意気投合するMOYA Watch Geneveのモヤ氏と伊藤選手
2015年11月デュッセルドルフで初顔合わせ後、意気投合するMOYA Watch Geneveのモヤ氏と伊藤選手

――ナイキ、またスイスの高級時計Moya Watch Geneveとスポンサー契約をしていることに関してどう思われていますか。

光栄に思っています。ナイキは元々好きなブランドだったので、色々なシューズが履けて楽しいです。Moya watchはデザインも格好いいし、質が高く腕にはめると気が引き締まります。年齢的には早いかもしれませんが、ダイヤモンド入りの時計を頂いたので、モチベーションはますます上がっています。スポンサーには、応援して頂いていることを本当に感謝しています。

――今までの経験の中で特に印象的だったことを教えてください。

1つは、チューリッヒのグラスホッパーに所属していた時のことです。元スイス代表選手のヘッド・コーチ、Johann Vogelのパスの正確性と速さは衝撃的でした。ここで教わった1年間のパスの練習は、ためになりました。また、バイエルン・ミュンヘンに所属していた時は、最初は10試合で40分しか試合に出られず、本当に辛かったです。この時に監督から「もっとアグレッシブになれ」「死に物狂いで相手を止めろ」と厳しく言われ、かなり意識をして自分のスタイルを変えました。この1年で更に変わることができたと思います。

――今後の目標または夢について教えてください。

日本代表選手としてプレーすることは小さい頃からの夢でした。日本を代表する選手として活躍できるよう、海外での経験をここで生かせたらと思います。また今は、ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグに参加できるチームで活躍するのがもう1つの夢でもあります。

インタビューを終え、深々と丁寧にお辞儀をしてくれた伊藤遼哉選手。彼の活躍に今後も目が離せない。オーストラリアでもプレーする姿を待ち望みながら。

伊藤遼哉(いとう・りょうや)
1998年5月2日生まれ、17歳。身長180センチ。7歳から12歳までシドニーに居住。日々サッカー・ボールと戯れる自由奔放な幼少期を経て2010年にスイスへ移住。スイスのグラスホッパーでの堅実なプレーにコーチが目を付け、いずれ大きなクラブに入れる逸材だと確信を持たれている。
Web: www.twitter.com/itoryoyawww.instagram.com/itoryoya

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