【サーフィン特集】QLDで憧れのサーファーになる!

サーフィンの楽園、QLDで

憧れのサーファーになる

 輝く太陽の下に広がる青く澄んだ広大な海。尽きることなく寄せては白く砕けていく波の間を、自由自在にサーフボードを滑らせるサーファーたちの華麗な姿。ゴールドコースト(GC)は誰もが認める世界有数のサーフ・スポット。滞在中に「一度はサーフィンにトライしてみようかな」という思いが頭をよぎっても不思議ではない。そこで今回は、未来のサーファーたちのためにそんな憧れの世界をご案内する。
取材・文=パティスン美幸

目の前に広がる絶好の環境

他国と比較してみても、世界トップ・レベルのサーフィン大国との呼び声も高いオーストラリア。南北にわたって伸びる海岸線からマーガレット・リバーにかけて多くのスポットが点在するWA州、ビッグ・ウエーブに出会えることも多いVIC州、北のフレーザー島から南はシドニーまで有数のスポットが続くNSW州とQLD州と、サーフィンができるスポットは、この国の海岸線の大部分を網羅している。中でもQLD州は、年間を通してほかの地域より気候が温暖なこと、サーフ・スポットから歩いていける距離に賑やかな街があること、またプロから初心者まであらゆるレベルの人が楽しめる条件が整ったスポットが集中していることなどから、ローカルはもとより海外からも多くのサーファーが集まる人気のエリアとなっている。また、QuickSilver、Billabong、Roxyといった一流サーフ・ブランドが主催するワールド・クラスの大会会場に指定されているスポットもあるため、トップ・レベルのサーファーたちの波乗りを間近に見るチャンスにも恵まれている。日本を含む諸外国からも多くの人たちが、サーフィンを目的にこの地に集まり、快適な波乗りライフを満喫している。

サーフ・ショップへ行こう

一度サーフィンを始めようと決心したら、その後は何から始めればよいのだろうか。まず、サーフィンに必要不可欠な道具を知っておきたい。サーフボード、リーシュ・コードと呼ばれるサーフボードと足をつないでおくコード、そしてボードに塗るワックスなどが基本的なものとして挙げられる。衣類は、身体を保護する意味で夏場でもウェットスーツを着用するのが望ましい。
 もしサーフィンをやっている友人がいれば最初はボードを貸りるという手もあるが、本腰を入れて続けていくためには、また、自分に合ったボードに巡り合うためにはサーフ・ショップに足を踏み入れ相談することが本格的な第一歩となる。本記事を読んで、事前にサーフィン用語や基礎知識を理解しておけば、お店の人から説明を聞くときの助けにもなるだろう。

人生観をも変えてしまうサーフ・カルチャー


オーストラリアのプロ・サーファー、ミック・ファニング

サーフィンを始めたことで、それまでのライフスタイルや人生観が変わったという話をよく耳にする。英語の上達や、ネットワークが広がるといった期待もあるが、例えば朝起きるのが苦手だったという人が、サーフィンをするために早起きをして規則正しい生活習慣を送るようになったり、偉大な自然に間近に触れて、人が本来あるべき姿を再確認したり、大きな波や上達するまでにぶつかる困難に立ち向かうことで、日々の悩みがちっぽけなものに感じられ、心が癒されたといった声もある。最近では女性や子どものサーファーもますます増加し、親子でサーフィンを楽しむ人も増えてきた。現在の生活になんとなく物足りなさを感じている人、何かにチャレンジしたいという漠然とした願望を抱えている人にとっても、新しい世界が広がるきっかけになるかもしれない。


サーフボードは、ものによって長さや、幅、厚み、ノーズ(先端部分)やテール(後方部分)のデザインもさまざま

地元の様子をよく知る、海の近くのサーフ・ショップへ出かけてみよう。道具選びやメンテナンスはもちろんのこと、サーフ・スポット情報や、ネットワーク作りなど、より充実したサーフィン・ライフを送るために、お気に入りの頼れる店を見つけておくのはとても重要だ。ショップの人たちは、真剣にサーフィンに興味を持つ人なら誰でも歓迎してくれる。恥ずかしがらずに分からないことは素直に何でも質問しよう。

【サーフボード】

サーフボードにはさまざまな種類や素材、サイズがあり、自分に合ったサーフボードを持つことはその後の上達具合に大きく影響する。最初は「楽しさ」を実感できるバランスを取りやすいボードを選ぶのがお勧め。自分とほかのサーファーの安全のためにも、リーシュ・コードは必ず新品を購入しよう。

【ウェットスーツ】

保温と同時に外部からの衝撃や接触、日焼けから体を守ってくれるウェットスーツ。季節によって種類があり夏場でも着用するのが理想的だが、ラッシュガードと呼ばれるより薄手の代用品などもある。


オーストラリアのビーチを見守り、海でのさまざまなトラブルや事故から人々を守るライフガードたち。情報が必要なときは気軽に声をかけてみよう。

サーフィンを楽しみ上達につなげていく上で非常に大切になるのが「波を見極める」目を養うことだ。理想的な波ができるには、波のうねりの大きさや方向、数、風の強さに加え、潮の干満と海底の地形といったいくつもの要素が関係してくる。同じポイントでも、時間によって波は常に変化していく。また、ひと言に風と言っても、陸から海に向かって吹く風(オフショア)、その逆(オンショア)、横方向からの風(サイドショア)、遠くの沖から吹いてくる風、沿岸付近だけに発生する風もある。さらに海底の条件(砂の場合、岩や珊瑚の場合、玉石の場合など)によっても波のうねりや形が変わってくる。波情報だけに頼らず、ビーチに着いたらまずは波や風の様子、また、先輩サーファーたちの行動などを自分の目でよく観察するくせをつけ、予測する力を養っていこう。また、特にビギナーは自分のレベルに合った場所を選ぶことが大事。無理をすると思わぬケガを招くことも。

■波のチェックができるウェブサイト: www.coastalwatch.com

❶ボトム・・・波の最下部
❷フェイス・・・波の斜面
❸リップ・・・波が崩れかかる最上部
❹トップ・・・波の上部
❺スープ・・・崩れた後の白い泡波
❻ショルダー・・・進行方向先の波のフェイス
❼パワーゾーン・・・サーフィン中にキープすべき立ち位置で、最もパワーのある部分
❽ピーク・・・一番最初に崩れ始める最も隆起した部分


クイックシルバー・プロが開催予定のスナッパー・ロックス

まずは自分に合ったボードを入手。ショップで相談してみよう

サーファーズ・パラダイスの中心に店舗を構える「レトリック」。ここへは毎日、日本人を含めた近隣に住むサーファーたちが次々と訪れる。新しいボードの購入を考えている人、ボードの一部が壊れてしまい修理の相談に来る人…、カズさんは、そんな彼ら1人ひとりに丁寧に対応する。その様子を伺っていると、店員と顧客というよりは、困ってやってくる後輩たちの面倒を見る頼もしい兄貴のような存在に見えてくる。
 これからサーフィンを始めてみたいという人のために、まずはボードの選び方からうかがった。「自分に合ったサーフボードを選ぶことは、その後のサーフィン生活を楽しめるかどうかの重要な鍵となります」というカズさん。ひと口にサーフボードと言っても大きさや形状は実に多様。選び方の主なポイントは以下の2点が考えられる。①自分の体型(身長・体重)に合ったもの、②自分の思い描くサーフィンのスタイルに合ったもの。①については、経験のあるショップ・スタッフに相談するのが1番。カズさんはひと目みれば、その人にぴったりのボードがイメージできるという。②については、大きく分けると、素早い動きで次々に波をくぐりぬけていくタイプの「ショート・ボード」と、ゆったりと波に乗り、ボードの上を歩く技なども楽しめる「ロング・ボード」の2通りがある。どちらのタイプが自分の思い描く理想のイメージに合っているか考えてみよう。

上達への道は、練習あるのみ!


どんなボードも安心して任せられる

自分にぴったりのボードを見つけたら、もうひとつ大切なことがある。それは「ヤル気です!」とカズさんは断言。「とにかくサーフィンは海に行かないと絶対に上手くなりません」。練習といっても、ほかの競技と特に違うのは、物理的に誰かに助けてもらうことは難しいということだ。自分の力で沖へ出て、波を探し、自力で波に乗る。カズさんによると、「最初の1カ月の忍耐が勝負!」だという。いくら運動神経に自信のある人でも、波に乗るというのはそう簡単ではないために、くやしさや歯がゆさと戦いながら、この時期をクリアしていくことになる。「しかも同じ波は2度と来ないんです。だからこそ、何度も海に行って繰り返し練習するしか、上達への道はあり得ません」。もちろん、味わえるのは苦しさだけではない。そんな試練の中でも、少しずつ前進していく実感と喜びが待っていることだろう。「オーストラリアは恵まれた環境です。仕事の前にちょっと海に入っていこうとか、学校の帰りに海に行こうとか、サーフィンを生活の一部にすることができますから」。そう言って、カズさんは海と一体化したライフスタイルを楽しむことを提案する。
 基本から学びたい人は、サーフィンのレッスンを受けることももちろん可能だ。まずはショップで気軽に相談してみよう。サーフィンをするのにあたって必要となる、海でのマナーやルール、地元ごとに特徴の異なる安全情報なども優しく教えてくれる。


カズさんとのお喋りを楽しみに来店する人も多い

「歓迎される日本人サーファー」を次世代に受け継ぐ

レトリックは、ビギナーたちにとって大いに頼りになる店であると同時に、多くのプロ・サーファーたちにとっても信頼のおける貴重なショップだ。彼らが新たなサーフボードをオーダーする際には、シェーパーと呼ばれるボード作りの職人たちとの間に入り、新しい板に込めた願いや思いを細部にわたってよく理解をした上で、コミュニケーションを取ってくれる。サーフィン界のプロフェッショナルの1人としてシーンに貢献するカズさんに、これからの夢について伺ってみた。「オーストラリアでサーフィンをする以上、僕たちは外国人。地元の海や人々、ルールをリスペクトしながら、仲良くやっていくことが大事だと思います」。オージーたちに歓迎される日本人サーファーを増やしていくために、マナーや技術の向上をサポートしながら次の世代へと継承していくことが、自らの役割と決めているカズさん。人を育てていくことは容易ではない。しかし、だからこそ人生を賭ける価値とやりがいを感じられるのだろう。
「でも、『あのおっさんうるさいなぁ』と言われたくないですから(笑)。若い人たちの声にも一生懸命耳を傾けてます」と笑うカズさんの目には、どこまでも白い波を追い続ける少年の輝きが宿っているようだ。

——カズさんから、GCに滞在する皆さんにメッセージ——

「サーフィンが大好きな人はもちろん、これからサーフィンを始めたい人、サーフィンをやらないけどオーストラリアが好きな人、何か楽しいことを探しているという人も、ぜひ一度、気軽にお店に遊びに来てください。ビザや留学など、さまざまな分野でお力になれるよう常に最新情報を発信しています!」

サーフィンのことならお任せサーファーズパラダイス
レトリック rhetoric

買い物しやすいスッキリした店内。商品のことだけでなく修理、レンタル、レッスン予約など何でも相談できる

 GCで誕生した日本人経営のサーフショップ「レトリック」。若いころに日本から豪州に渡り世界のトップ・メーカー6社で経験を積んだスタッフが、初めてサーフィンにトライする人から、レベルの高いボードのカスタマイズまで、満足のサービスを提供してくれる頼もしい店。一流シェーパーとの強いつながりを持ち、沢山のプロからもオーダーを受けるほど業界での信頼は厚い。今年は3月1日(日)に開催される「レトリック杯」には、毎年日本人サーファーたちが勢ぞろいする。フレンドリーな仲間たちに会いに、一度店に出かけてみよう。

おすすめ商品

レトリックオリジナルTシャツ($30)はお土産にも最適。初心者用の格安ボードパッケージ、中古ボード、レンタルボード($20)、カーバースケートボード($295)などもある

住所:shop2, Monte Carlo 36-38, Orchid Ave., Surfers Paradise ■Tel: (07)5592-1991 ■Web: www.rhetoricstore.com ■Facebook: www.facebook.com/rhetoricstore ■Email: info@rhetoricstore.com ■営業時間:月~土11AM~7PM、日祝11AM~6PM 、年中無休


海でのルール、マナー、モラルルールを守って安全、快適に

スクールでレッスンを受けるのも1つの方法。サーフ・ショップで紹介してくれる

自由に見える海の中でも、守るべき交通ルールが存在する。最も基本的なルールは「ワン・マン・ワン・ウエーブ」と呼ばれる世界共通のもので、1つの波には1人しか乗らないことを意味する。自分の後方から波に乗ってくる人の前に乗り出す「前乗り」や、波に乗っている人の後ろから同じ方向に乗ってしまう「後乗り」といった行為も許され難いルール違反。特に初心者は大変危険なので絶対にしないこと。
 海の中では誰もが良い波に乗りたいと思う気持ちを持っており、上達しようと真剣に取り組む人は大勢いる。自分勝手な振る舞いでほかのサーファーを妨害したり、必要以上に仲間と悪ふざけをしたり、子どもや女性サーファーに威圧的な態度をとるのはほかのサーファーにとっては受け入れがたい行為だ。事故を避けるためにも、ほかのサーファーを敬う気持ちを忘れないようにしよう。万が一、誤って迷惑をかけたと思った時は自分から素直に謝ろう。
 サーフィンを知れば知るほど、誰もが人と自然との深い関わりを感じていく。当然のことだが、海やビーチにゴミを捨てるようなことがあってはサーファー失格。限りない恩恵を与えてくれる環境を積極的に守っていこう。

覚えておきたいサーフィン用語

●波待ち:サーフボードにまたがり、乗る波を待つこと。足でバランスをとりながら体勢を保つ。
●パドリング Paddling:板にうつ伏せに寝そべって、手でボードを漕ぐこと。そうして沖へ出ることをパドル・アウトという。
●前乗り Drop-in:波に乗っている人が既にいるのにもかかわらず、その前から同じ波に乗ろうとすること。マナー違反。
●テイクオフ Take off:パドリングの状態から立ち上がって波に乗ること。

●ドルフィン・スルー Dolphin through:大きな波が来た時に海に潜って白波をかわす技。沖に出るため、また接触事故を防ぐために身につけておきたい技術。英語ではDuck diveと表現されることが多い。
●レギュラー Regular:砂浜から見て右側に向かって崩れていく波のこと。
●グーフィー Goofy:砂浜から見て左側に向かって崩れていく波のこと。
●ピーク Peak:波が崩れる直前の、一番高く隆起した部分。波に乗る優先権を得て前乗りを防ぐためには、このピークを見極めることが必要。

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