教育特集2016◆子育て・習い事 基礎編◆①オーストラリアで子どもを育てる

教育特集◆子育て・習い事 基礎編◆

オーストラリアでは、子どもが幼い時からそれぞれの個性や自主性を重んじる傾向がある。また、父親が子育てに積極的に関与し、週末はもちろん、仕事を休み、学校行事に参加することも珍しいことではない。今回は、就学前教育から大学入学までのオーストラリアの教育制度についての基礎知識を、ニューサウスウェールズ(NSW)州を例に紹介していきたい。また、現在オーストラリアで実際に子育てをしている読者の声をお届けする。 文=空閑睦子

NSWの教育システム

NSWの学校生活、習い事

体験談 <学校・教育編>

体験談 <学校・教育/習い事編>

体験談 <バイリンガル教育編>

NSW州での子育てと教育制度の概要

教育制度の概要

連邦国家であるオーストラリアでは、教育制度は州ごとに異なっている。NSW州の大学入学までの教育制度は、就学前教育、準備教育(キンダーガーテン、通称キンディ)、初等教育(プライマリー・スクール)、中等教育(ハイ・スクール)に分かれる(下記図)。就学前教育は日本の幼稚園や保育園に相当する。プライマリー・スクールは日本の小学校に、ハイ・スクールは中学校及び高等学校に相当する。日本のように学年が小学校、中学校、高等学校で区切られておらず、初等教育のイヤー(Year)1から中等教育のイヤー12までの12年間を通して「イヤー○」という呼び方をしている。義務教育期間は、イヤー1からイヤー10までだ。

学期はタームと呼ばれ、4学期制であり、新学期は1月末から始まる。

基本的にプライマリー・スクールの就学年齢は、その年の7月31日までに6歳になる子どもが、同年に始まるイヤー1に入学することになっている。またその1年前に、プライマリー・スクールに併設されたキンディーに、義務ではないが、ほとんどの子どもが通う。

もっとも、オーストラリアでは保護者が入学時期を決めることも可能で、子どもの状態によって、早めたり遅らせたりすることができることも覚えておくと良いだろう。

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※日本では4月1日時点で満6歳の子どもが小学校に4月に入学する。オーストラリアでは、その年の7月31日までに6歳になる子どもが小学校に1月に入学する。


学校の種類

学校は公立校(パブリック・スクール)と私立校(プライベート・スクール)に大きく分かれる。公立校は基本的には、住所によって通う学校が決まる学区制を採用している。私立校には、男子校、女子校、宗教に基づく学校、バイリンガル教育を実施する学校、モンテッソーリ・メソッドやシュタイナー教育といった著名な教育を取り入れた学校など、さまざまな特徴がある。人気の私立校の場合、子どもが生まれた時点で入学のウェイティング・リストに名前を載せることもあるそうだ。

公立校、私立校問わず、オープン・デーと呼ばれる学校見学説明会が行われる。普通は1年間に複数回開催されるので、実際に校内の雰囲気や様子を知るのに役に立つ。スケジュールは各学校によって異なるため、問い合わせて確認するのが良い。

就学前教育

NSW州では、3〜4歳から就学前の教育を受けることが奨励されている。就学前の教育にはデイ・ケア・センター(Day Care Centre)、オケージョナル・ケア・センター(Occasional Care Centre)、プレスクール(Pre-School)の3つの種類がある。必ずしも日本の保育所や幼稚園などと内容がぴったり重なるわけではないので、英語で理解するのが良いだろう。

それぞれの施設では、先生と子どもの割合が決まっている。2歳未満の場合には、子ども4人につき、エデュケイター(Educator)と呼ばれる先生または保育士が1人、3歳以上の場合には子ども11人につきエデュケイターが1人と決められている。

週に2〜3日程度通うのが一般的。定員20〜60人ぐらいの小規模な所が多い。中には60人以上という大規模な所もある。

●デイ・ケア・センター
 対象は新生児から就学前までではあるが、センターによって受け入れ年齢の設定が異なる。預けられる時間帯はおおむね朝8時〜夕方6時が多い。年末年始を除いて、年間48週以上オープンしている。

●オケージョナル・ケア・センター
 対象は新生児から就学前まで。利用料金は1時間単位で決められている。

●プレスクール
 対象は3歳から就学前まで。預けられる時間帯は朝9時〜午後3時。学校と同じように4学期制で、夏休みなどのスクール・ホリデーがある。時間的に余裕のある保護者の子どもが多い。「My Child」(Web: www.mychild.gov.au)というウェブサイトでは、住んでいる地域にある施設の空き状況やサービスの種類などが検索可能である。

キンディー(キンダーガーテン)

5歳前後からは、義務ではないが、キンディーに通う。キンディーでは楽しい時間を過ごしつつ読み書きや算数が学べるような工夫がなされている。また、インファント・スクール(Infant School)と呼ばれる学校もある。ここは準備教育からプライマリー・スクールのイヤー2までをカバーし、このスクールが終わるとイヤー3から他のプライマリー・スクールに通うことになる。

プライマリー・スクール

イヤー1からイヤー6がプライマリー・スクール。プライマリー・スクールで学ぶ主要な教科は、英語(English)、算数(Mathematics)、理科と技術(Science and Technology)、創造芸術(Creative Arts)、社会と環境(Human Society and its Environment、略称HSIE)、心身発育と保健体育(Personal Development, Health and Physical Education、略称PDHPE)の6つである。学ぶ内容については、BOSTESのウェブサイトで見ることができる(Web: www.boardofstudies.nsw.edu.au)。

ハイ・スクール

イヤー7から始まるハイ・スクール。イヤー10の修了時には義務教育修了証明書(RoSA)が交付されるが、そのためにはイヤー7から、英語(English)、数学(Mathematics)、科学(Science)、歴史(History)など10の科目を取らなければならない。加えて選択科目もあり、農業技術(Agricultural Technology)、商学(Commerce)などがある。イヤー9ではラップトップ・パソコンが配布されるのも特徴だ。

私立校ではもちろんのこと、公立校でも生徒のニーズや関心に合わせた学校がある。例えば、クリエーティブ・アンド・パフォーミング・アーツ・ハイ・スクールズ、テクノロジー・ハイ・スクールズ、スポーツ・ハイ・スクールズなどがある。NSW Education(Web: www.dec.nsw.gov.au)のサイト内にある「Services locator」からこうした学校を探すことができる。プライマリー・スクールもハイ・スクールも公立校の場合、オーストラリア国籍や永住権を保持していれば学費は無料。ビザのカテゴリーにもよるが、テンポラリー・ビザ保持者の場合年間約5,000〜6,000ドルかかる。私立校は公立校よりも学費が一般的に高い。

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