オーストラリア子育て特集(QLD編/2016)①学校選び

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オーストラリアで子育て QLD版 バイリンガル教育、学校選びに知っておきたいポイントを紹介!

子どもがいる家庭なら、子育てについていつも考え、悩むはず。まして日本とは言葉や文化、習慣などが大きく異なるとなれば、なおさら大きな問題だ。そこでオーストラリアの学校事情や、バイリンガル教育など、子育てで必ず直面する問題を取り上げ、対応策を解説していく。(取材・協力:ブレット・カミング、さくら学園運営委員会)

学校選びをどうしよう?

QLDではその年の6月30日までに満6歳になる子どもがプライマリー・スクール(小学校)に入学できることになっている。ただし、保護者が子どもの状態を見て、入学時期を早めたり、遅らせることもできる。

●日本とオーストラリアの学校の違い

両国とも学校、特に義務教育課程は、将来に備えて基礎学力と社交的なスキルを身に付ける点では同じだ。ただ、日本には教科書があり、これに従って授業が進められるが、オーストラリアには教科書はなく、州ごとに決められた大枠はあるものの先生の自由度が高く、フレキシブルに授業が進められることが多い。もっとも、今後は全国的に統一されたAustralian Curriculumに準じるようになる予定だ。

授業以外の点を見ると、例えば、日本では友だちと仲良くしてクラスで協力してまとまる、といった協調性が重視されるが、オーストラリアでは個人の考えを最大限尊重し、自己表現や他人と交渉するスキルを重視する点が大きく異なる。文化や国民性の違いと言ってしまえばそれまでだが、自分の意見が言えることで初めて対等と考えるのがオーストラリアの特徴だ。


また、早い時期からコンピューターに関する授業(テクノロジー)が行われ重視されている。担任教師をはじめ年配の校長先生もメールでコミュニケーションしているのが普通で、学校の宿題もしばしばコンピューターを使わなければならない場合もある。この点は日本より進んでいると言っていいだろう。

日本の学校では当たり前に行われている掃除はなく、給食もない。生徒は各自弁当と水筒を毎日持参しなければならない。

●公立校と私立校の違い

学校はパブリック・スクール(州立はステート・スクールとも呼ばれる)とプライベート・スクール(私立)に大きく分けられる(場合によってはカトリック校を入れて3つに分けることもある)。

子どもをどの学校に通わせるかは、保護者であれば誰もが悩むことだが、注意したいのは、QLDには日本人学校がないということだ。このため、日本の学校と同じ勉強をするには、公立か私立の学校へ通いながら、週1日日本語補習校へ行き、日本の教育課程に沿った内容で国語と算数などを学ぶ以外に方法はない。また日本語力の維持向上や日本文化を理解するための学校もある。

どちらにしろQLDでは現地の学校に通わねばならないことになるが、公立と私立では一体何が違うのだろうか?

まず大きな違いとして学費がある。私立では高額な学費が必要で、その分一般的に、施設や設備、先生、教育環境が充実している。また伝統のある私立校では通っている生徒にはある程度の共通性が見られるが、公立ではさまざまな子どもたちが通っている(このため、引っ込み思案の子どもが学校で周囲に圧倒されて萎縮してしまうといったことが懸念される場合もある)。

学力の点で見ると、私立は1人でも多くの優秀な生徒を集めようとしているため、学校全体で見た平均的な学力レベルは高い。しかし近年の研究では、大学生でトップ・レベルの成績の生徒の場合、公立か私立かといった出身校による顕著な違いは見られないとの報告もある。公立では7年生以降になるとアカデミック・クラス(エクステンション・クラス)が設けられ、成績が優秀な生徒を集めたクラスが編成され、先に進める生徒はどんどん進んでいくといった方針が取られている。更に先生の異動も激しく、公立・私立間を異動する先生も少なくないため、どちらの先生が優れているとも言えない。

こうしたことから、公立、私立のどちらが良いかは一概には言えない状況になっている。

●学校選びのポイント

保護者としては子どもにとって一番ふさわしい学校を選び、通わせたいと願う。もし公立を希望するなら、基本的に学区制なので住んでいる地区にある学校へ通うことになるが、私立を含めて考えるといくつかの比較できる要素がある。

まず学費の問題があり、公立なら永住権やビジネス・ビザを取得していれば学費は無料だが、私立は必要になる。また留学生として入学する場合は公立より私立の方が高い学費が必要になる。しかし私立には、奨学金制度(スカラーシップ)を設け、スクール・レポートや試験結果などから判断し、優秀な生徒には学費の一部を免除する制度もある(中には全額免除というケースもある)。

学校と住居の距離も大事な問題。基本的に親が送迎をするが、毎日のことなので通学に無理のない学校を選ぶことが大切になる。

ESL(English as a Second Language)クラスがどのように行われているのかもポイントだ。ESLは英語を母国語としない生徒のための特別クラスで、常設している学校もあれば、週2回など学校によって対応もさまざまだ。

また学校によっては、音楽やスポーツが盛んなど、特色を強く打ち出しているところもあり、子どもが何に興味を持っているか、何が得意かといった点から考えることもできる。

気になる学校があれば、「マイ・スクール」(Web: www.myschool.edu.au)で調べてみよう。このサイトでは、オーストラリアの全学校の3、5、7、9年生を対象に実施されている統一学力テスト「NAPLAN」の結果など客観的な情報を得ることができる。また学校が主催している説明会に参加したり、直接問い合わせして見学することもできる。

子育てにおいて、学校選びは非常に重要な問題。家庭内で十分話し合い、また自分の目で直接見るなどして、子どもにとって最も適した学校を選ぶようにしたい。

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